秋の代表的な食べ物といえば、サンマです。細い柳の葉の形をして銀色に輝く体が刀のようであることから、秋に捕れる刀のような形をした魚として「秋刀魚」と名付けられたそうです。

大会期間中は脂質が多いため避ける

秋のサンマは油がのっておいしいのですが、脂質が多いため、私がサポートするテニス選手には「大会期間中は避けて、大会終了後に食べましょう」と指導しています。

EPA、DHAを多く含みビタミンも

サンマの脂質には不飽和脂肪酸の多価不飽和脂肪酸であるEPA、DHAが含まれます。EPAは血液をサラサラに、DHAは脳細胞の働きを高め、頭の回転を良くするので、戦略を考えるアスリートにはぜひ、摂って欲しい食品です。体内で合成できない必須脂肪酸を含みますので、健康にプラスになります。

サンマはその他、免疫力を高める脂溶性のビタミンA、丈夫な骨を作るカルシウム、そのカルシウムの吸収を助けるビタミンD、抗酸化作用を持つビタミンE、そして鉄も含んでいます。

大根おろしとセットで消化吸収アップ

このサンマの栄養素を効率よく吸収するには、生で食べること。加熱すると、油とともに栄養素が流出してしまうためです。また、タンパク質分解酵素を持つ大根おろしとセットで食べると、消化が良くなり、ビタミンや鉄の吸収も促進します。

サンマのこの内臓(ワタ)は苦味があるため、苦手とする方も多いようですが、ここにも栄養素が詰まっています。ラジノリンクスという寄生虫の心配もありますが、完全に火を通せば大丈夫です。刻んでトマトソースにして、かけても良いですね。

今回は「サンマのエスカベッシュ」を紹介します。サンマに薄力粉をつけることで栄養素の流出を少なく、またカリッと焼いて南蛮漬け風にしました。サンマのおいしい季節にお試し下さい。

管理栄養士・山口美佐