秋は暑さも湿気も落ち着いて過ごしやすい季節の1つではあるものの、中医学では気温の低下や乾燥の影響により、呼吸器や皮膚の症状が出やすくなるとされています。一方で、夏に冷たいものを食べ過ぎたり、冷房にあたり過ぎたりして、季節の変わり目にだるさを感じる方もいます。「秋バテ」とも呼ばれる不調です。

日照時間の減少で自律神経に乱れ

メンタル面においては、秋になってから気持ちが沈む、落ち着かないといった症状を明かす患者の方も時々見られます。日照時間の減少や急激な気温変化による自律神経の乱れも、メンタルと関係していると考えられており、アレルギー症状が出やすくなる要因の1つともいわれています。

適切な食事・運動・睡眠

ただ秋に限らず、食生活や運動習慣と、疲労感やメンタルの不調との関連を研究している研究者もいます。日本の女子大学生約130名を対象にした調査では、「健康維持のために体を動かしていない」「食事を楽しんでいない」「自分の食事内容に問題がある」などの回答をした人ほど、疲労の自覚症状が強いと報告されています。症状緩和のためには適切な食事内容、適度な運動に加え、十分な睡眠、深い呼吸も大切です。

このコラムを読んでいる皆さんは、運動や食事の重要性を理解している方が多いと思いますが、なんとなく気持ちが沈むことがあれば、食生活が乱れていないか、振り返ってみてください。そんな時は、気の置けない仲間と秋の食材を使ったお菓子を一緒に作ってみてはいかがでしょうか。

今回紹介するのは、「栗とデーツの米粉マフィン」です。栗は秋の味覚の代表格で 胃腸の機能のサポートや血流を改善させる機能があるとされています。今回は時間短縮のためにむき栗を使用しています。

デーツは砂糖の代わりになりますし、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄などが含まれています。なお、栗はあまり知られていないことが多いですが、アレルゲンの1つでもあります。栗を食べて違和感がある場合には、控えておきましょう。

秋の花粉症シーズンもあと少しです。秋は河川敷、道路脇、空き地などに生息している植物の花粉によりアレルギー症状が出る方もいます。鼻水や喉のイガイガなど風邪と似たような症状のため、見分けがつきにくいともいわれており、症状が辛い場合には医療機関で相談してみましょう。

運動習慣がない方は、負荷のかからない軽いストレッチなどを行うことでリフレッシュになるかもしれません。食生活も整え、おやつも善玉菌のエサとなる食物繊維の多い食品や抗酸化作用の高い食品を意識してとるように心がけておきましょう。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子