今季からドーム社がサポート、意識付けがポイント
今シーズンから、米アンダーアーマーの日本総代理店であるドーム社が食のサポートに入りました。チーム全体の食事調査から始まり、面談で選手の考え方を聞くとともに、調査や血液検査の結果などをフィードバック。改善点など個別にアドバイスしました。
坂本 チームはトレーナーさんも含めて意識が非常に高いと感じています。ただ、現状チームにはクラブハウスや寮がなく、専属のシェフが食事を出す環境ではありませんから、選手は自分で考えないといけません。特に1人暮らしの選手にはどんな食事をとればよいか、外食についてなどの話をよくします。SNSを使って写真を送ってもらってアドバイスすることもあります。原修太選手や田口成浩選手からはよく食事で何が足りていないか聞かれますね。
多田 プロ選手のレベルになると、ある程度の知識は持ち合わせています。新しい知識というより意識づけがポイントですね。坂本さんはSNSでグループを作って読みやすいコラムを送ってくれます。試合後に何を食べたらいいとか、季節によって花粉症やウイルス対策とか。選手が興味ある話題を、堅苦しいものでなく、端的に分かりやすく教えてくれるのでありがたいです。
必要量がケガなどを減らす
今シーズンは疲労回復を重点的に取り組んできました。シーズン序盤こそ小野龍猛選手やトレイ・ジョーンズ選手がケガで約2カ月間離脱しましたが、それ以降の長期離脱はゼロ。安定したコンディションでレギュラーシーズンに臨めたことがリーグ連覇を後押ししました。
坂本 食事の必要量がとれている選手は、ケガや体調不良が少ない。リカバリーをテーマにしてきたので、そこは大きいと思います。食べる量が足りていないと、試合翌日に疲れやすかったり、試合で100%の力が出せていなかったりします。きちんと必要な量をしっかり食べることが非常に重要です。
試合での栄養補給の重要性も選手は意識するようになりました。控室におにぎり、サンドイッチ、ゼリー、果汁100%のフルーツジュース、サラダチキンなどを用意。試合前やハーフタイム、試合後に選手は補給しています。
坂本 試合時に何時に何を食べるかなどの食事プログラムを配信し、練習や試合後の栄養補給は強く伝えています。リカバリーを高めるために、試合後の素早いタンパク質、糖質補給は特に重視している部分です。控室では補食で糖質やタンパク質をとれるようにし、遠征時はホテル到着後すぐに食事をとれるよう時間調整してもらっています。
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