水分補給のためのボトル準備
練習前後に選手が測定して記入した体重をデータ入力し、山田さんらスタッフに共有するのは、学生トレーナーの角谷悠さん(3年)と山本文音さん(2年)だ。
毎朝、練習中の水分補給のためのボトルを作り、選手やスタッフを支える縁の下の力持ち。スタッフと選手の間の立ち位置にいるため、プライベート話を含め、選手からの様々な相談を受け止める大きな懐も必要だ。
2人とも高校時代はラグビーとは無縁。角谷さんは「地元の先輩のすすめ」、元柔道選手の山本さんは「裏方をやってみたい」という軽い気持ちで入った。朝練習の前にグラウンド入りし、夜遅くまで作業が続く。「サポートの範囲が広くて、入部当初はきつかった」と山本さんは振り返る。
彼女たちを支えるのもまた、選手たちだ。「このまま続けるかどうか迷っていた2シーズン前、大学選手権で準優勝した時に、(前主将の)福田健太さん(現トヨタ自動車)が『来年は優勝しような』と声をかけてくれて、それがうれしくて続けられた。そして昨年度、本当に優勝して『ありがとう』と言ってもらえた。それまで、自分に何ができるか分からなかったけど、その言葉がうれしくて、感動して…」と角谷さんは目を輝かせた。彼女たちもチームの一員。一緒に戦っている。