遠征先ホテルとの食事交渉

遠征先の食事について宿泊先のホテルと交渉するのは、対外交渉の窓口を一手に担う主務の松下忠樹さん(3年)。山田さんが要求するアスリートの食事内容をホテル側に伝え、通常メニューを変更、提供してもらえるよう調整する。

明大中野高時代はラグビー部でプレーし、大学ではスタッフとして加わった。1、2年は学生アナリストとして分析を担当。今でも学生レフリーとして、スクラム練習では笛を吹く。

合宿所の玄関前に並ぶ明大ラグビー部の学生スタッフ。後列中央が松下さん
合宿所の玄関前に並ぶ明大ラグビー部の学生スタッフ。後列中央が松下さん

それが今年度、3年生ながら主務に大抜てき。選手以外から選出されるのも異例のことだ。大役の重圧を感じながらも、入寮して選手と寝食を共にしながら理解を深め、信頼を得ている。

試合前後の補食は1人分ずつ用意

また、試合前後の補食の準備をするのは副務(マネジャー)の仕事。試合開始時間に合わせて、山田さんが選定した補食を調達、準備する。補食の内容に間違いないか細心の注意を払い、選手がとりやすいようパッケージする。

補食を調達、準備するのは副務の仕事。1つずつパッケージし、選手の名前を明記する
補食を調達、準備するのは副務の仕事。1つずつパッケージし、選手の名前を明記する

大学屈指の伝統と人気を誇る明大ラグビー部は、全国にファンも多い。しかし、監督、コーチ陣など専属スタッフは限られた人数のため、主務、副務、学生トレーナー、学生コーチやアナリスト(分析)といった学生スタッフが役割を担い、その範囲は幅広い。今年度は、女性マネジャーを中心にSNSでの情報発信を強化。選手やチームの活躍を細かく伝え、HPのリニューアルも検討中だ。

今年のスローガンの通り「真価」を試されるチームを、日本一の学生スタッフ陣も「進化」しながらサポートを続けている。

「ちょい残しはしない!」と選手に配布された資料
「ちょい残しはしない!」と選手に配布された資料

ちょい残しはダメ
 寮の食数は、山田さんと副寮長の高橋選手が主体となって行っている。練習、試合、授業のスケジュールに沿って食数を増減させ、無駄な残食がないよう毎週、松美屋にオーダー。また、「ちょい残し」をしないよう指導も徹底。1年生は2人ずつでローテーションを組み、夜の補食で使った食器を朝練前に洗うことで、食器をきれいに使うことを覚えていくようだ。

【アスレシピ編集部・飯田みさ代】