高校野球は、地方大会真っ盛り。今回は群馬大会で惜しくも敗れましたが、高崎健康福祉大高崎高野球部の新たな取り組みを紹介します。モットーは「おいしく楽しく食べる」。選手とばぁばの笑顔があふれる食卓から、最強チームへ―。選手たちのチャレンジは続きます。
自分たちで食事への意識を
「ばぁば、ただいま!」「はい! おかえり!」「今日のご飯はなに~?」
夜8時、高崎健康福祉大高崎(以下、健大高崎)の寮には、元気な声が響く。声の主は、選手と寮の食事を担当する「はながさランチ株式会社」の佐藤幸江さん(63)。寮ができたころから選手の食事を担当して、今年で13年目。今では選手たちから「ばぁば」の愛称で親しまれている。
モットーは「おいしく楽しく食べる」
健大高崎の食事は「おいしく楽しく食べる」をモットーとしている。夕食時には、ばぁばが選手たちに声をかける。「おいしいかい?」「今日はどうだった?」選手とばぁばの笑顔があふれる食卓。そこは、家庭的でアットホームな温かい空気が流れていた。
青柳博文監督(47)は「今は、おいしく、ストレスなく食べさせた方が体にいいのではないかと思っているんです」と話す。食事の改革に乗り出したのは昨秋。昨夏の群馬大会決勝で敗れたのをきっかけに練習から見直した。部内暴力で夏の大会前に約1カ月、対外試合を自粛したことも改革を後押しした。
「自分たちで意識を持たないといけません。私たちも、しっかり食べているかどうか、24時間、管理することは難しい。そうなると、人に頼っていてはダメなんです」。本人が体を大きくしなければと自覚して、自主的に栄養を考え、たくさん食べるようになることが大事なのだ。