食べない原因は「大人の4つのしすぎ」
子どもは、知らず知らずのうちに精神的に追い詰められてしまうことがある。山口さんは「子どもがご飯を食べない原因は、『大人の4つのしすぎ』がある」とも指摘する。
<大人の4つのしすぎ>
①プレッシャーかけすぎ
②不安になりすぎ
③イライラしすぎ
④放任しすぎ
①~③は「食べなさい」とプレッシャーをかけ、思い通りにならないと不安になり、余計にイライラする、といったように連動している。思い当たる節があり、ドキッとした人もいるだろう。
常にその状態にあるのは、「○○すべき」と自分にノルマを課している母親が陥りやすく、「子どものため」と言いながら、実は「自分」が主体になっているケースも少なくない。過干渉で子どもの成長に沿った距離感を保てなくなると、親子関係が悪くなるだけでなく、親の作った食事自体を子どもが拒否してしまうこともあるのだという。
まずは自分をほめて、お母さん
「一生懸命になりすぎているお母さんが多いので、まずは自分をほめること。子どもが食べられなくても、毎日のご飯を作っているだけでも素晴らしいことなので、その頑張りをお母さん自身がもっと認めて良いと思います」。自分をプレッシャーから解放し、自分の子どもを他の子どもと比較せず、長い目で見守ることが大切なようだ。
④は「作っても食べないなら作らない」と、好きなものしか食卓へ出さない、食事への提案がないというケース。「食べなくてもいいんです。テーブルに置いておくだけでいいので、作ることをやめないでいただきたい。大人が食べている姿を見て、いつの間にか食べていることもありますから」。
家庭不和が原因も、父親のサポート必須
頑張っている母親を支える父親の役割も重要だ。「お父さんが無関心な家庭は問題があることが多い。お母さんの悩みや話を聞くなどして、お母さん1人に任せないで欲しい」。子どもが食事をとらない理由は、家庭不和によることもある。
人間は、食べなければ生きていけない。逆に、食べられれば自信になるし、自己肯定感も強まる。そのためにも、できるだけ幼い頃から「食べることは楽しいこと」を植え付け、その喜びを日々、味合わせたいものだ。
過度の小食に悩むなら、その原因がどこにあるのか、もう1度、見つめ直すことで解決の糸口が見つかるかもしれない。もし、極度のプレッシャーによるもので、会食恐怖症ではないかと疑ったら、ぜひ「日本会食恐怖症克服支援協会」へ問い合わせてみてほしい。
【アスレシピ編集部・飯田みさ代】