選手復帰への大きな壁
まだ分かりませんが、もしまた選手に復帰するということになれば、大きな壁になっているのは娘の預け先です。夫の職業がら、勤務体系が不規則ですし、実家は遠方、私の母も勤めに出ているので、家族に頼るというのは難しい状況。Wリーグは土日に地方でも試合があるので、出発は金曜の早朝。となると、木曜の夜から日曜の夜遅くまで娘を預けなければならない。それをお願いできる人を探すのは、現在は難しい状況です。
離乳食が始まった頃と同じタイミングで、JXTGホールディングス株式会社主催のクリニックでコーチを始めましたが、このやりくりもなかなか大変です。一時保育サービスを利用したり、遠方に出張する時は現地まで娘を連れて行って、親しいスタッフのご実家にお願いしたりしたこともあります。
以前もお話ししましたが、海外では、ママアスリートたちが気兼ねなく練習場にお子さんを連れてきます。日本でも、Vリーグのヴィクトリーナ姫路が保育士の資格を持ったスタッフを雇用しているそうですね。一般的な会社勤めの方と同じように、 アスリートも当たり前に子どもを預けることができて、プレーに打ち込める環境を作っていただけたらうれしいな、そう思うことがよくあります。
◆大崎佑圭(おおさき・ゆか) 1990年4月3日生まれ。東京都出身。東京成徳大中-東京成徳大高-JX-ENEOSを経てフリー。ポジションはセンター。コートネームは「メイ」。WリーグレギュラーシーズンMVP(12年)、プレーオフMVP(13年)。チームの主軸としてリーグ10連覇、皇后杯5連覇に貢献。日本代表として2016年リオデジャネイロオリンピックに出場。その年末に一般男性と結婚し、大崎に改姓(旧姓間宮)。身長183cm。
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