安養寺監督自ら料理

料理を作る安養寺監督
料理を作る安養寺監督

アルバカーキの合宿所では安養寺監督が自ら、料理の腕前を振るうことも多い。量やバランスはもちろん、「見ておいしく、食べておいしくをテーマに、彩り豊かに作っているつもり。色鮮やかな食材は栄養価も高いです」と、見た目にもこだわったメニューばかりだ。

【監督料理(1)韓国料理フェア】合宿が後半に入り選手の疲労が増してきたので、“豚ミン”(ビタミンB)パワーで疲労回復を図ろうと思い、選手の好きな韓国料理をテーマに作りました。豚キムチ、塩レバー、3色ナムル、パプリカのマリネサラダ、エビのチヂミ、塩昆布と枝豆の炊き込みご飯、豆腐とシイタケと卵のスープ。(談)
【監督料理(1)韓国料理フェア】合宿が後半に入り選手の疲労が増してきたので、“豚ミン”(ビタミンB)パワーで疲労回復を図ろうと思い、選手の好きな韓国料理をテーマに作りました。豚キムチ、塩レバー、3色ナムル、パプリカのマリネサラダ、エビのチヂミ、塩昆布と枝豆の炊き込みご飯、豆腐とシイタケと卵のスープ。(談)

【監督料理(2)人気のハンバーグ】選手たちの要望に応えて、キノコソースの煮込みハンバーグ。ポテトサラダとチーズガーリックトーストを添えて。(談)
【監督料理(2)人気のハンバーグ】選手たちの要望に応えて、キノコソースの煮込みハンバーグ。ポテトサラダとチーズガーリックトーストを添えて。(談)

【監督料理(3)サバ料理】アメリカでの合宿は高地なので海の魚の種類が少ないものの、EPAとDHAの魚油が多いサバは手に入りますのでよく使用します。選手は「ごちそうサバでした!」と言ってくれます。(談)
【監督料理(3)サバ料理】アメリカでの合宿は高地なので海の魚の種類が少ないものの、EPAとDHAの魚油が多いサバは手に入りますのでよく使用します。選手は「ごちそうサバでした!」と言ってくれます。(談)

主に3000メートル障害で35歳まで現役を続けた安養寺監督。20代は無頓着だったものの、30歳を過ぎて回復に時間がかかるようになって初めて、食事に気を使うようになったという。海外で自炊合宿をする際は、自分で買い物に行き、食材の栄養素を気にしたり、何をどの時間帯に食べた方がいいのか勉強したりすることで、独学ながら知識を増やしていった。

【監督料理(4)フルーツ盛り】スイカで水分補給、ビタミン摂取を兼ねて、食事を楽しくするために時々フルーツ盛りを作ります。(談)
【監督料理(4)フルーツ盛り】スイカで水分補給、ビタミン摂取を兼ねて、食事を楽しくするために時々フルーツ盛りを作ります。(談)

その後、資生堂でコーチ、監督を務める中で、順天堂大大学院スポーツ健康科学研究科で女子長距離ランナーの栄養指導などを学び、これまでの知識を理論として確立させた。今大会で結果を出し、選手を伸ばしていることで、その説得力も増している。

成長期にふさわしい食事を

一方で、特にジュニア選手への指導現場とのかい離を感じ、「もっと食事の重要性を発信する必要がある」とも話している。「選手が、大学や実業団でも走り、五輪などの大きな大会を目指したいと思うなら、中高生の時期は勝利至上主義に左右されるべきでない。指導者はその子の健康面を見ながら、成長期にふさわしい食事をとらせるべきだ。食事が原因で、選手をバーンアウトさせるべきでない」と訴えていた。

【アスレシピ編集部=飯田みさ代】