安養寺監督自ら料理
アルバカーキの合宿所では安養寺監督が自ら、料理の腕前を振るうことも多い。量やバランスはもちろん、「見ておいしく、食べておいしくをテーマに、彩り豊かに作っているつもり。色鮮やかな食材は栄養価も高いです」と、見た目にもこだわったメニューばかりだ。
主に3000メートル障害で35歳まで現役を続けた安養寺監督。20代は無頓着だったものの、30歳を過ぎて回復に時間がかかるようになって初めて、食事に気を使うようになったという。海外で自炊合宿をする際は、自分で買い物に行き、食材の栄養素を気にしたり、何をどの時間帯に食べた方がいいのか勉強したりすることで、独学ながら知識を増やしていった。
その後、資生堂でコーチ、監督を務める中で、順天堂大大学院スポーツ健康科学研究科で女子長距離ランナーの栄養指導などを学び、これまでの知識を理論として確立させた。今大会で結果を出し、選手を伸ばしていることで、その説得力も増している。
成長期にふさわしい食事を
一方で、特にジュニア選手への指導現場とのかい離を感じ、「もっと食事の重要性を発信する必要がある」とも話している。「選手が、大学や実業団でも走り、五輪などの大きな大会を目指したいと思うなら、中高生の時期は勝利至上主義に左右されるべきでない。指導者はその子の健康面を見ながら、成長期にふさわしい食事をとらせるべきだ。食事が原因で、選手をバーンアウトさせるべきでない」と訴えていた。
【アスレシピ編集部=飯田みさ代】