一緒に朝食でチームワークも高まる

最初は野球部を応援してくれている近くの老舗そば屋の店主が、調理をアドバイス。具材は、選手が自宅から少しずつ持ち寄る。みそ汁の具材になるものなら何でもOK。ビニールの袋半分の具材でも110人の部員が持ち寄れば、具でいっぱいに。

肉は、美里工OBがオーナーを務める「ステーキハウスビッグハート」が無料で提供。切り落としで廃棄する半端な肉を、食中毒対策で、いったんボイルしてから冷凍している。

美里工野球部特製・具だくさんみそ汁の作り方。鍋に水50リットルを沸騰させ、具材を入れて煮る。合わせみそ3キロを溶き入れ、かつおだしとニンニクを少々(授業があるので匂わない程度に)、溶き卵を入れ、最後に監督が味見する
美里工野球部特製・具だくさんみそ汁の作り方。鍋に水50リットルを沸騰させ、具材を入れて煮る。合わせみそ3キロを溶き入れ、かつおだしとニンニクを少々(授業があるので匂わない程度に)、溶き卵を入れ、最後に監督が味見する

この日の食事当番の選手たち。(左から)城間光喜選手(1年)、辺土名心海選手(1年)、仲松怜央選手(1年)、島袋勇貴(2年)、島袋峻汰選手(2年)※学年は3月23日現在
この日の食事当番の選手たち。(左から)城間光喜選手(1年)、辺土名心海選手(1年)、仲松怜央選手(1年)、島袋勇貴(2年)、島袋峻汰選手(2年)※学年は3月23日現在

朝食がチームワークも高めている。8時、約1時間半、たっぷりと振り込んだ選手たちが、具だくさんみそ汁を900グラム以上、それに各自が用意したご飯900グラム以上。合わせて最低1.8キロ以上をグラウンド横のベンチで、全員が並んで食べる。気持ちいい朝の太陽を浴びながら、おいしい朝食を食べる選手たちは自然と笑顔になっていた。

選手たちは、練習の話などをしながら楽しく朝食。いいコミュニケーションの場になっている
選手たちは、練習の話などをしながら楽しく朝食。いいコミュニケーションの場になっている

主将の名護良介外野手(2年)は「最初は慣れるまで大変でしたが、この2年で14キロ増えて飛距離も伸びました。みんなでおしゃべりしながら食べるのも楽しい。チームワークもいいですよ」と、朝食効果はバツグン。“同じ鍋のみそ汁”を食べた絆は深い。

入学時は慣れないため500グラムからスタート。夏休みには先輩たちと同じ900グラムになる
入学時は慣れないため500グラムからスタート。夏休みには先輩たちと同じ900グラムになる

神谷監督は「パワーがついてきたし、何よりも夏、熱中症で倒れる選手がいなくなったのが大きい」と効果を実感。「僕も一緒に健康になれるよ」。その笑顔には、もう1度甲子園へ、の熱い思いがこもっていた。

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