一緒に朝食でチームワークも高まる
最初は野球部を応援してくれている近くの老舗そば屋の店主が、調理をアドバイス。具材は、選手が自宅から少しずつ持ち寄る。みそ汁の具材になるものなら何でもOK。ビニールの袋半分の具材でも110人の部員が持ち寄れば、具でいっぱいに。
肉は、美里工OBがオーナーを務める「ステーキハウスビッグハート」が無料で提供。切り落としで廃棄する半端な肉を、食中毒対策で、いったんボイルしてから冷凍している。
朝食がチームワークも高めている。8時、約1時間半、たっぷりと振り込んだ選手たちが、具だくさんみそ汁を900グラム以上、それに各自が用意したご飯900グラム以上。合わせて最低1.8キロ以上をグラウンド横のベンチで、全員が並んで食べる。気持ちいい朝の太陽を浴びながら、おいしい朝食を食べる選手たちは自然と笑顔になっていた。
主将の名護良介外野手(2年)は「最初は慣れるまで大変でしたが、この2年で14キロ増えて飛距離も伸びました。みんなでおしゃべりしながら食べるのも楽しい。チームワークもいいですよ」と、朝食効果はバツグン。“同じ鍋のみそ汁”を食べた絆は深い。
神谷監督は「パワーがついてきたし、何よりも夏、熱中症で倒れる選手がいなくなったのが大きい」と効果を実感。「僕も一緒に健康になれるよ」。その笑顔には、もう1度甲子園へ、の熱い思いがこもっていた。
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