女子ゴルフ勝みなみ(21=明治安田生命)
母久美さんとの名コンビぶりは、女子ゴルフ界でも有名だ。14年に高校1年生でアマチュアながら史上最年少でプロのツアーに優勝。鹿児島で小学校の教員だった久美さんは、退職して17年のプロテスト合格までの競技生活を1人で支えてきた。
「プロテストと、それまでのアマチュア時代にずっと支えてくれたのが一番の思い出」と勝は言う。退職金をはたいて娘を支え、移動、練習場の確保、キャディーとできることは何でもこなした久美さん。そんな中、勝の支えになったのが久美さんの笑顔だった。
現在も、勝がいい時も悪い時も、そのそばには笑顔の久美さんがいる。オフには、友人のように一緒にプロレスやコンサートに出かける。共通の趣味は「歌を歌うこと」。母の手料理ではスープ系、特にタイのお吸い物が気に入っている。「面白いし、センスがいい。ずっと笑っているところがすごい」という母が、勝の自慢でもある。
昨年は2勝を挙げ、賞金ランキング10位に入ったが、今季はそれ以上の成績を目指す。恩返しは「一番は自分が笑顔で楽しく、健康でいること」と勝は言った。
バレーボール女子日本代表主将・荒木絵里香(35=トヨタ車体)
最大の目標だった東京オリンピック(五輪)が1年延期。現代表メンバー最年長の35歳。五輪を待たずの引退も「ゼロではなかった」。しかし、和子さんや夫、家族に背中を押され気持ちを新たにした。4度目の五輪へ「最後に、もうひと頑張り、一緒にお願いしますと言いたい」。
母がいなければ、ママさん選手として競技を続けることは不可能だった。代表合宿などで家を空ける際には、長女和香ちゃん(6)の勉強をみてもらい、食事も協力してもらっている。14年1月の出産後も、第一線で競技を続けてきた。その決断は、母の存在なしにはなかった。「(母は)一緒に戦ってくれる同志みたいな存在」だという。
例年この時期には、家族で旅行し、絆を深めてきた。昨年までは、和香ちゃんが幼稚園で作った作品をプレゼントされていた。今年は新型コロナウイルス感染拡大で、そうはいかない。影響は母の日だけではなく、競技人生にも及んだ。まさかの東京五輪1年延期。「2020年夏を集大成と考えていましたので、衝撃は大きかった」。
気持ちを切り替えることができたのは、家族の存在があったから。母からは「自分の思うようにやってもいいんじゃない」。この言葉が背中を押してくれたた。現在は、自宅周辺を走る程度。練習が満足にできない状態に不安はあるが、今できることに、懸命に取り組んでいる。
恩返しは1年後の五輪。「(五輪まで)あと1年ちょっと。終わった時に、みんながサポートして良かったという成果が残せるよう頑張りたい」。カーネーションより何より、全力で頑張るママの姿と12年ロンドン五輪以来のメダルを、家族に届けたい。
バドミントン混合ダブルス渡辺勇大(22)、東野有紗(23=ともに日本ユニシス)
<渡辺勇大>
生まれてからもうすぐ23年。振り返ってみると母親という存在の大きさを改めて実感します。幼少期は恥ずかしがり屋で、常に母さんにくっついて行動していたような気がします。勉強嫌いでも、腐ることなく教えようとしてくれたのも母さんで、プールで泳ぎ方を教えてくれたのも母さんでした。
今では考えを常に受け入れ、尊重してくれています。もちろん、軌道修正してくれることもありますが、やると決めたことに対して静かに頑張れと背中を押してくれる母さんを心から尊敬しているし、そんな人間になりたいなと思っています。
強くて優しい母さん。いつもありがとう。
<東野有紗>
お母さん、いつもいつもたくさん、そばで支えて、助けてくれてありがとう! 練習で疲れた時、試合で負けた時、いつも話を聞いてくれて、優勝した時には私よりも泣いて喜んでくれて、帰国したらおいしいご飯を用意して待っていてくれているお母さん。お母さんの方がつらかったり大変だったりすることもあるのにいつも見守ってくれてありがとう!
お母さんの支えがあっての今があると思ってます。ずっと夢だったオリンピックで金メダルをとって、1番に首にかけてあげられるように頑張ります! これからも生意気な私をよろしくお願いします。いつもありがとう!