長い梅雨が明けたと思ったら猛暑に突入、コロナ禍もあり、ジュニアアスリートを支える保護者にとっても、体調維持が難しい夏となっています。手洗い、うがい等、基本的な感染症対策をするともに、食事からも免疫力を高めておきたいところです。栄養バランスのとれたアスリートの食事をヒントにスポーツ栄養学に基づいたメニューを開発し、会社員や皇居周辺を走るランナーの憩いの場でもある東京アスリート食堂本店の管理栄養士・臼井里佳さんに、免疫力をアップさせ、元気に夏を乗り切るための食事について聞きました。
免疫力と食生活は密接に関係
まずは、免疫力のおさらいです。免疫とは、私たちの体に侵入してくる細菌、ウイルスなどの異物から体を健康な状態に保つよう働いてくれる防御システムのこと。免疫細胞とは、感染症などの病気の原因となる異物を見つけて攻撃し、排除してくれる細胞です。
免疫細胞が活発に動き、免疫システムが正常に働いていれば、ウイルスに対する抵抗力があり、罹ったとしても重症化しない体が作れます。免疫力を高めるということは、自分の体を守るためにとても重要なことです。
免疫システムと日常生活は密接に関わっており、不規則な生活、食生活の乱れ、睡眠不足や運動不足、飲酒・喫煙、極度のストレス、加齢などで免疫力は低下します。中でも特に大きく関わっているのは、食生活です。
免疫力を高める特定の食品はない
免疫力を高める特定の食品や栄養素というものは、ありません。免疫システムには多くの種類の栄養素や食品成分が複雑に関わっているため、様々な食品から栄養バランスのとれた食事をとることが大切なのです。また、今日とった食事によって明日、免疫力が劇的に上がることもありません。毎日食事を整えていくことで、数カ月先の防御体制が整うのです。
五大栄養素をまんべんなく摂ることが大前提。適量の水分をとること、体温を上げることも必要です。さらに、暑い夏は食欲が低下する人がいることを考慮して、臼井さんが掲げたキーワードは「食べやすいこと」。強化したい栄養素としては「タンパク質」「ビタミンB1」「ビタミンC」「クエン酸」を挙げました。