ビタミンD摂取のために「魚」の献立
同大学スポーツ医科学センターでは現在、アスリートに欠かせない栄養素としてビタミンDの研究を進めている。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の生成に欠かせない栄養素であり、筋力や免疫力との関連もあるとされているが、意識しないと摂取しにくい栄養素でもある。そのため、「朝夕の献立に魚を取り入れたり、乳製品をビタミンDが添加されているものに変えたりして、不足しないようにしている」と藤井さんは話す。
一般的に魚を苦手とする子どもが多く、どのようにしたら魚を食べてもらえるかは保護者の悩みどころでもある。提供当初は「骨があって食べづらい」「生臭い」といった声も実際、選手から上がったが、食べやすくするため、調理法を試行錯誤してきた。
選手は補食にも「魚」、缶詰などを利用
青魚に含まれるDHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸は体内の炎症を抑え、筋肉量の維持と回復に役立つとされている。選手はそういった情報も理解して、意識して補食にも魚を取り入れるようになった。
松本主将は、「コンビニではサラダチキンのほか、サバやツナなどの缶詰を買って、そのまま食べている。サラダにトッピングするのもいいですね」。増量を目的としていた神座は「パンに缶詰のツナを塗って、マヨネーズをかけてトーストにして食べている」とアレンジ方法を教えてくれた。
再びの日本一を目指すシーズンは、10月4日の関東大学対抗戦、日体大戦から始まる。個々のレベルアップに加え、意思の疎通がしっかりできたことで、選手たちは自信をつけている。「引き続き、万全なコロナ対策をして、食事も含めた生活の土台部分を整えて、築いてきたものを発揮する」(松本主将)。足元を固めた帝京大の赤い旋風が、再び吹き荒れそうだ。
【アスレシピ編集部・飯田みさ代】