<オフの球児メシ(4)>
「球児メシ」とは、成長期に当たる中学球児がオフシーズンに必要な栄養素を取ると同時に、野球に必要な瞬発力や持久力、集中力を得ることを目指した食事です。最新科学に基づいたポイントを、新出(しんで)真理、今井菜美さんの両管理栄養士・博士(栄養学)がお届けします。最終回は新出さんの「球児に最適! スタミナアップの良質おやつ(スイーツ)」です。
エネルギーや栄養素補給の大切な機会
成長期の球児にとって、食べることはトレーニングの一部。そこで、よく聞かれるのが、「おやつ(スイーツ)は食べてもいいの?」。答えは「原則、OK!」です。
食事は人生の大きな楽しみの1つ。3食を大切にした上で、リラックスして良質おやつを食べることは、球児の体にもメンタルにもプラスになります。
そもそも、成長期は食欲旺盛になる時期。食間におなかペコペコになることもありますね。逆に、胃腸が強くなかったりするため、1食にそれほど食べられない球児にとって、良質なおやつはエネルギーや栄養素を補給する大切な機会です。
では、スタミナアップに役立つ良質おやつ(スイーツ)の3条件とは?
(1)スタミナ源である炭水化物に加え、必要なタンパク質やビタミン、ミネラルが一定量取れること。
(2)砂糖や油、塩の取りすぎにならないもの。
(3)エネルギー量が1日の摂取量の10%以内であること。これは、WHO(世界保健機関)のガイドラインに準じます。
この3条件を満たし、手軽に作れる良質おやつを3種類紹介します。1日にどれか1つが目安です。
「チーズケーキ」は、ホットケーキミックスで炭水化物が、卵とヨーグルトでタンパク質とカルシウムがガッチリ取れます。チーズは使いませんが、味はチーズケーキ風。牛乳が苦手な球児でも食べやすいのでは。
「豆腐白玉ぜんざい」の白玉団子は、白玉粉で炭水化物が、豆腐を使うことで、コレステロールを含まない植物性の良質タンパク質が取れます。骨の健康に必要なカルシウム、マグネシウム、貧血予防に役立つ鉄、抗酸化作用の高いビタミンEなども取れます。合わせるもので和風、洋風どちらにもなります。
「スイートポテト」は、焼き芋から炭水化物とたっぷりの食物繊維が取れます。成長期に必要な葉酸や抗酸化成分のビタミンCも豊富。どれもとても簡単。球児自身が作れば気分転換にもなるでしょう。
来月のホワイトデーには、いつもお世話になっている家族へプレゼントしても喜ばれそうですね。【新出真理】
<ワンポイントアドバイス>
●スイーツも 上手にとって リフレッシュ
●スタミナ源 炭水化物 うまく取る
●カルシウム 補う秘訣 ヨーグルト
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