今まで大きなケガなし、丈夫に産んでくれて感謝
<巨人7-5ヤクルト>◇9日◇東京ドーム
感謝の思いを打球に乗せた。巨人岡本和真内野手(24)がプロ初のサヨナラ打となる逆転サヨナラ3ランで試合を決めた。1点を追う9回1死一、二塁、ヤクルト守護神石山のスライダーを力感なく振り抜き、ライナーで右翼席に突き刺さした。
表情を変えずに三塁まで回った。ホームベース付近で待ち構えるナインを見てようやく表情を緩ませた。もみくちゃにされ、感謝のウオーターシャワー。「初めてだったのでびっくりしました。どういうふうに(ホームに)かえればいいか分からなかった」と困惑気味に振り返った。
反撃ののろしをあげたのも4番の一振りだった。2点を追う8回先頭、マクガフの151キロ内角直球を左翼席へ運ぶ6号ソロ。「いつもピッチャーの方も頑張ってくれてますし、野手の方も僕を除いて、みなさん打ってくれてたんで、なんとかチャンスで打てて良かった」と周囲への感謝を忘れない。
この日は母の日にちなみ、ピンク色のスパイク、リストバンドを使用した。「なかなか今まで大きなケガもしたことないですし。本当に丈夫な体に産んでくれて感謝しきれないです。好きなようにさせてもらってたと思います」と、母智代美さんへの思いをまっすぐ口にした。
エース菅野が右肘の違和感で8日に登録を抹消された重たい雰囲気も振り払った。東京ドームでの連敗は5でストップ。感謝を忘れない男だからこそ、周囲から感謝される活躍ができる。【小早川宗一郎】
▼4番の岡本和が逆転サヨナラ3ラン。これまで岡本和はサヨナラ本塁打だけでなく、サヨナラ安打もなく、これがプロ入り初のサヨナラ打。巨人で4番打者の逆転サヨナラ本塁打は49年4月12日川上、83年5月5日原、06年4月21日李承■(■は火ヘンに華)、17年4月1日阿部に次いで5人目になる。岡本和は8回には1点差に迫る6号。巨人で2打席連発の2本目が逆転サヨナラ弾のケースは71年7月11日上田以来、50年ぶり2人目。
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