魚はカルシウムの吸入を助けるビタミンDを多く含み、魚の脂はアレルギー対策にいいけれど、魚アレルギーのために摂ることは難しい…。

 そんな方は、「キノコ」で代用しましょう。魚と同じような効能を持ちます。通年スーパーで見かけるキノコは9~11月が旬で、今が1番おいしく食べられる季節です。

 それでは今回、次回と2回に分けて、キノコの魅力について紹介します。アレルギー疾患を簡単に表現すると、免疫機能がうまく機能していない状態。そんな時に大きな力となるのが、キノコ類です。

*βグルカンで免疫細胞活性化*

 βグルカンという食物繊維は、免疫細胞を活性化させる機能があります。また、インフルエンザの重症化を防ぐという研究結果も出ています。βグルカンは食物繊維の一種ですが、緑黄色野菜にも淡色野菜にも含まれていません。含む食品は少ないため、ぜひ1週間の献立の中でキノコメニューを取り入れてもらいたいと思います。なお、キノコの中ではマイタケに一番多く含まれています。

*ビタミンDでカルシウム吸収アップ*

 カルシウムの吸収を助けるビタミンDが多い食品を見ても上位のほとんどが魚ですが、キノコ類にも豊富に含まれています。マイタケ、シメジ、エリンギに多く含まれています。

*糖質代謝に不可欠ビタミンB群含む*

 糖質代謝に必要不可欠で、疲労回復に効果のあるビタミンB群も含まれています。

 アレルギー疾患とキノコの関係ですが、日本では、マイタケやエリンギの成分が花粉症などのアレルギー症状緩和につながると研究されています。海外に目を向けると、ぜんそくやアトピー性皮膚炎とビタミンDの摂取量の関係性について研究されており、ビタミンD群の摂取が症状緩和を促すという結果が発表されています。

腸内環境を整える酢を活用したキノコモリモリバジルマリネ
腸内環境を整える酢を活用したキノコモリモリバジルマリネ

 このように、キノコは免疫力をアップさせる力が大きいことがお分かりいただけたかと思います。今回は腸内環境を整える酢を活用したキノコのレシピ「キノコモリモリバジルマリネ」を紹介します。

 バジルの風味とバルサミコ酢で食べやすくなっています。バジル独特のさわやかな香りは、神経を鎮めて精神的な疲労を和らげ、リラックス効果があるともいわれています。

 試合の多い季節でもあり、秋の花粉症の方には辛い季節かと思いますが、旬のキノコ料理で免疫力を高めて乗り切りましょう。翌日の方が味がしみ込んでおり、常備菜にもおすすめの一品です。

 ただし、松茸アレルギーの方は主治医に他のキノコ類の食べ方を相談しましょう。キノコの種類によっては食べられる場合もあるようですので、よく観察してみてください。