皆さんは、緑黄色野菜を意識して摂取していますか? 緑黄色野菜とは、ニンジン、トマト、ブロッコリー、カボチャなど色の濃い野菜を示します。

厚生労働省では、1日に緑黄色野菜を約120g摂取することを目標に掲げています。野菜の大きさにより差もありますが、おおよその目安としては、下記の野菜を食べることで「1日120g」を摂取できます。

小松菜1株+トマト1/4個+ニンジン中1/4本+ピーマン小1/2個

通常の食事をしていればクリアできそうな量ですが、国民健康・栄養調査(令和元年)の結果では、15歳~19歳の男性は平均66.9g、女性は73.2gといずれも目標量を大きく下回っていました。

アレルギーのある学生の緑黄色野菜摂取量少ない

アレルギー対策においても野菜の摂取量、特に緑黄色野菜の摂取量も関連があるという説があります。日本人の女子大生を対象にした食事調査において、アレルギー(アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなど)のある学生はアレルギーのない学生と比較し、平均して緑黄色野菜を約2/3量しか摂取していないという結果となりました。アレルギーは免疫のアンバランスによるものであるという考えがあり、緑黄色野菜に含まれるカロテンに免疫機能改善作用があるという報告があります。抗アレルギーに対し、カロテンの作用も関係があるからこそ、意識して摂取してもらいたいと思います。

もちろん、アレルギーの原因は諸々複雑で、食事が全てではありません。薬物治療が必要な患者さんも見てきていますし、生活環境(掃除、大気汚染など)、体質、その他様々な要因もあります。ただ、多少の改善が期待できる道の1つに食事があると、頭の片隅に入れてもらえると良いでしょう。アレルギー専門医の中には「食事も治療に大切である」と話している先生もいるからです。

今回紹介するのは、緑黄色野菜の代表格、ニンジンをふんだんに使用した「キャロットピーラーサラダ」です。ニンジンをピーラーで削り、包丁を使わないため、料理初心者の方でも簡単に作れます。

砂糖の代わりにレーズンとデーツを使用することで、甘味を引き出すだけでなく、カルシウムや鉄をはじめとするミネラル補給にもつながります。作り置き、お弁当おかずとしてもお勧めです。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子