粉ふきイモに適した品種は?

また、ホクホク感という粉ふきイモのおいしさを生み出す「粉」も、でんぷんにかかっています。粉ふきイモを作るときは、粉をふきやすい品種を使うとおいしく出来上がります。

粉ふきイモやポテトサラダに向いているのは、丸っこい「男爵」。でんぷん量が多いので、火を加えるとホクホクしますが、煮くずれしやすいのが難点です。一方、メークインは粘りがあり、しっとりとした食感で煮くずれが少ないため、炒め物、カレーやシチューなどの煮物、揚げ物など、イモの形を残したい料理に向いています。

粉質でんぷん:男爵、キタアカリ、アンデス
<特徴>ポテトサラダ向き
【○】加熱してほくほく感がでる
【×】煮崩れしやすい 

粘質でんぷん:メークイン、インカのめざめ、紅丸
<特徴>おでんやシチューの煮物など
【○】ペクチンの可溶化が進みにくく、煮崩れしやすい
【×】ホクホク感が乏しい

新ジャガの特徴って?

さて、皮が薄く、柔らかく、水分いっぱいの新ジャガ。柔らかくてすぐ火が通る反面、一般的なジャガイモのようなホクホク感はやや薄いのが特徴です。

冬に植えたジャガイモを、通常の収穫期である秋よりも早く収穫した新ジャガは、細胞やペクチンが未熟なため、水に溶けにくく、でんぷんを簡単に離しません。つまり、粉をふきにくいのです。

そんな新ジャガで粉ふきイモを作りたい時は、皮ごとのまま使うのがおすすめです。皮ごと蒸してのジャガバターや、煮物、揚げ物に向いています。

科学を通じて見えてくる食の不思議。ぜひ春の味覚や野菜を、味わってみてくださいね。