米粉パン用の粉がある?
米の自給率向上や食物アレルギーの増加によって近年、流行したのが米粉パンです。とは言っても、一般的には小麦粉の一部に米粉が使われているだけで、その割合は20%前後しかありません。
理由は、粉の成分にあります。焼き上がった時に内部に気泡を作り、ふっくらしたものがパンの特徴。小麦に含まれるグルテンがイーストなどによって発酵され、その作用によって気泡が作られるからです。
しかし、米粉にはグルテンが含まれていないため、発酵されたガスを閉じ込める力がなく、膨らみません。米粉100%でパンを作る時は、米粉の性質がダイレクトに膨らみに影響します。
米粉といっても粒子の大きさなどによって様々。米粉パン用の粉は上新粉より細かく、上用粉よりもやや細かめとなっています。また、熱や機械的衝撃によるでんぷん粒子の損傷率も低く、でんぷんの成分であるアミロースの割合等もパンに適したものが販売されています。高アミロースの米から米ゲルなどの開発も進み、現在は食品加工に応用されています。
塩漬けにした桜の葉で包む理由
さて、桜餅の話に戻ります。どうして桜餅の葉は、生の葉っぱを使わないのでしょうか? 実は桜の葉を塩漬けにすることで、細胞が壊れてクマリンという芳香成分が生まれ、独特の風味を醸し出します。この塩漬けの葉で包むことで、桜餅に桜の香りや塩気がついておいしくなるのです。生の葉にはあの香りはありません。なお通説はありますが、葉の大きさに関西と関東の好みの違いがあり、関西では小さめのもの、関東では大きめのものが好まれているとのことです。
なお、桜の葉でくるむことにも理由があります。桜餅が乾燥したり、ホコリがついたりするのを防ぐ、桜の香り付けをする、塩漬けの葉っぱがあんこの甘さにインパクトを与える(※)などで、単なる飾りではないのです。桜の葉の風味と塩気によって、桜餅のおいしさは引き立てられているのですね。
覚えておきたい米の加水率
お米のカップは180cc(料理用の計量カップは200cc)。その時の水の量は以下と言われています。
・重量の1.5倍=米150gに対して水200g
・体積の1.2倍=米1合(1カップ180cc)に対して水200cc
1合を炊飯させると、米の重量は2.3倍にまで増えます(350g)。これさえ知っていれば、防災時の災害ごはんとしても大活躍です。ちなみにおかゆならば、ゆるさに応じて水の量を調節するだけです。
・10倍かゆ=米1合:水10カップ
・5倍かゆ=米1合:水5カップ