水洗いしたお米を入れるメリットは
一方で、水で洗ったご飯を入れる方法もあります。ご飯のぬめりを水で洗い流すと、米の表面の粘りが溶け出さないので、さらさらした食感を楽しむことができるのです。また、だし汁(割下)が濁らないメリットもあります。
このように、入れるご飯の状態によって、雑炊の出来上がりが変わります。味や食感のお好みによって入れるご飯の状態を整えて、楽しんでみてください。
おじや、雑炊、おかゆの違い
そもそも、「おかゆ」「雑炊」「おじや」の違いはご存じですか。改めて説明しておきましょう。
生米を大量の水で炊いたものが「おかゆ」(米1カップに対し、水10カップの水が10分粥、水5カップで5分粥)。これに対し、すでに炊いたご飯を使って作るのが「おじや」「雑炊」です。
とはいえ、地域によって諸説あるとされています。
例えば、炊いた米飯を一度水で洗ってぬめりをとり、さらっと仕上げたものを雑炊、とろとろしているのがおじや、と呼ぶところ。汁とともに軽く温め、粒が残るものが雑炊で、ぐつぐつ煮てあるのがおじや。塩でシンプルに仕上げたのが雑炊で、みそやしょうゆで味付けした物がおじや。炊いたお米にだしや具材を入れて作るのが雑炊で、鍋の残りものに炊いたご飯を入れて煮込んだものがおじや…など。
なぜそう呼ぶようになったのか、由来にも諸説あります。「雑炊」は、水を入れてかさ増しをするため「増水」から、具材も一緒に入れて煮るようになったことからだとか。「おじや」は、ご飯を炊く時の「じやじや」という音から来た、スペイン語で鍋を意味する「olla(オジャ)」から来たなど、調べてみると面白いですよ。
本格リゾットを作ってみよう!
それでは最後に、秋の旬のキノコを使った簡単レシピ「キノコのリゾット」を紹介します。「リゾットの科学」を感じながら、作ってみてくださいね。
<材料>
・キノコ(シメジ、マッシュルーム、マイタケなど)… 1/2〜1株
・ニンニク…1片
・タマネギ…1/2玉
・オリーブオイル…大さじ1
・ブイヨン…800ml
・生米…1カップ
・バター…1片
・パルメザンチーズ…20g
・塩、コショウ…少々
<作り方>
(1)ニンニク、タマネギ、キノコをみじん切りにして、オリーブオイルをしいたフライパンで炒める。
(2)米を洗わず加え、米が熱くなるまで炒める。
(3)熱いブイヨンを数回に分けてひたひたになるまで注ぐ。
(4)約15分間煮る。
(5)米がアルデンテ(少し芯がある状態)であることを確認し、仕上げにバター、パルメザンチーズを加え、塩、コショウで味を整える。
(6)米粒が割れない程度に思い切り混ぜる。