◆主な栄養素と無駄なく摂るコツ
根の部分には、アミラーゼ、ステアーゼ、オキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素が豊富です。アミラーゼはでんぷん、ステアーゼはタンパク質の分解を助けるため、消化促進、胃粘膜保護、食欲増進などの効果があります。
オキシダーゼは焼き魚の焦げに含まれる発ガン物質、ベンツピレンを分解するため、ガン予防の効果も期待できます。カタラーゼは過酸化水素を分解するため、抗酸化作用があります。根の先端部分の方が酵素活性が強く辛みがあり、葉に近い首の部分は糖度が高く甘みがあります。
酵素は熱に弱いため、生食がおすすめです。大根おろしにするとガン予防が期待できるイソチオシアネートも生じます。すりおろす際は、金属製のおろし金を使うと酸化が進みやすいため、陶器やガラス、プラスチック製を使うと良いでしょう。食べる直前におろした方が、栄養素の損失が少なくなります。
食物繊維のリグニンは時間をおくと増えます。抗ガン、便通、腸内環境を整えるなどの効果が期待できます。
根は淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜です。葉にはビタミンC、ビタミンE、βカロテン、鉄、カルシウムが豊富。カルシウムは小松菜を、鉄はホウレン草を上回る含有量です。ぜひ葉も利用しましょう。
◆保存するなら
葉が付いたものは、根の養分が吸い取られてしまうため、すぐに切り離して別々に保存します。葉は栄養素の損失をできるだけ抑えるため、2~3日で使い切りましょう。
根は冷蔵で2週間ほど保存できます。冷蔵庫に入る大きさに切った場合は切り口をラップで覆い、乾いた新聞紙で包んでポリ袋に入れます。立てて保存したほうが長持ちします。
冷凍する場合は、根を薄めのいちょう切りにしてかためにゆで、保存袋に入れて急冷します。葉は加熱するか塩もみして小分けにし、ラップで包んで急冷します。ともに1カ月ほどで使いきりましょう。
干す場合は千切りまたは拍子木切りにし、ザルに広げて2日ほど干します。葉や皮も干して利用できます。1カ月ほど日持ちします。
【管理栄養士・高木小雪】