毎日食べても安全とされる量

WHO(世界保健機関)の定める無機ヒ素のPTWI(暫定耐容週間摂取量)で計算すると、体重50kgの人の場合、1日あたり0.107mgまでの無機ヒ素、ヒジキの煮物約1人前に相当する量であれば、毎日摂取し続けても安全だと推察されます。

1食に食べるヒジキの水戻し重量を30gとすれば、週3回程度食べても、PTWIを超えることはありません。ただし、ヒジキ以外の他の食材にも無機ヒ素が潜んでいることは、お忘れなく。

私たち日本人は、はるか昔からヒジキを食べてきました。ヒジキは、アスリートにとって大切な栄養素を豊富に含んでいます。どの食材にも言えることですが、「適量」を「バランスよく」食べることが、何よりも大切。普段の食事に上手に取り入れていきましょう。

無味無臭のヒジキはスイーツにも使える

ヒジキは海藻類の中でも特に「無味・無臭」な食材なので、何と! スイーツにも使えます。今回は、ヒジキを使ったおやつ「ヒジキのパウンドケーキ」を紹介します。

不足しがちな鉄・カリウム・カルシウムなどのミネラルを補給できるので、アスリートの補食(おやつ)におすすめですよ。(連載終わり)

米の無機ヒ素含有量 農林水産省の食品に含まれるヒ素の実態調査(2012年)によると、米に含まれる無機ヒ素は以下の通り。
 精米:0.12mg/kg(平均値)
 玄米:0.21mg/kg(平均値)
計算上では、精米であれば毎日891g(5.95合)分食べ続けない限り、玄米であれば毎日509g(3.39合)分食べ続けない限り問題ないとされている。無機ヒ素は「ぬか」の部分に多く含まれることから、玄米よりも精米を食べる、よく研いでから食べるなどすることで無機ヒ素の量を減らせるが、「ぬか」の部分には鉄分や食物繊維が多く含まれており、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食材。「バランスよく食べる」ことを心がけていれば、玄米やぬか漬けを食べたからといって健康面で問題が生じることはないというのが農林水産省の見解だ。

※1=国際的なリスク評価機関の欧州食品安全機関(EFSA)、米国食品医薬品局(FDA)の評価による。

※2=農林水産省「食品に含まれるヒ素の実態調査 2006-2008の値」より。

【提供=カネリョウ海藻株式会社】