文科省が見解を修正、次亜塩素酸水の噴霧は情報を吟味して

文部科学省が6月4日に各学校などへ通達した「消毒方法」が話題になりました。

そこでは学校の物品を消毒する際には、新型コロナへの有効性が示されている「消毒用エタノール」や、0.05%に薄めた「次亜塩素酸ナトリウム消毒液」、さらに、一部の界面活性剤を含む「家庭用洗剤」の使用を推奨しています。

話題となったのは加湿器やスプレーなどの噴霧器を使った散布についてで、既に一部の市町村や学校で行われていた次亜塩素酸水の噴霧を、子どもがいる空間では行わないよう求めたのです。

目や口に入ると危険な次亜塩素酸ナトリウムの噴霧は当然、禁止でしたが、文科省は次亜塩素酸水についても“禁止”としました。WHO(世界保健機関)が、人体への安全性が確立されていないのであらゆる消毒薬の噴霧を勧めない、という見解を出したことが大きいのですが、この文科省の通達により、それまでよく使われていた次亜塩素酸水自体の効果や安全性を疑問視する声も高まってしまいました。

文科省は6月16日にマニュアルを改訂して「次亜塩素酸水の噴霧は、メーカーや関係省庁が提供する情報をよく吟味して判断するように」と見解を修正しました。“禁止”は解きましたが、使う際は学校医や学校薬剤師らから助言を得た上で、児童・生徒らの健康面への影響も十分検討するように呼びかけました。

こうした話題があった中で、6月26日に厚労省が新型コロナに有効な成分の「最終報告」を行いました。

次のページ厚労省が最終公表したコロナに有効な消毒成分と消毒法