【回答】管理栄養士・中野ヤスコさん

野球部では、まだまだ多い指導法ですね。本人も悩み、お母さんも苦労されていると思います。私が関わっているジュニアアスリートでも、小学校5年から中学2年の成長スパート真っ最中の選手は、なかなか体重が増えないと悩む方が多くいます。成長期の選手は、生存するためのエネルギーだけでなく、体を大きくする、成長する、さらに運動による消費エネルギーと、人生のうちで一番、エネルギーや栄養素が最大級になる年代と言えます。まず、エネルギーを効率的に味方につけるには油脂を味方につけましょう。

例えば、納豆にゴマ油を少し垂らして食べる。鶏肉は、むね肉よりももも肉を使う、魚の脂がのったものを食べるなどです。そして、もう一口食べられる「ご飯のお供」を見つけましょう。

私がサポートする藤枝東高サッカー部にて選手たちにアンケートをとったところ、かつお節、梅干し、鶏そぼろ、明太子、シラス、卵かけご飯などで食べるよう工夫しているようです。水分も一度には吸収できないといわれるのと同じで、食事も同様です。タンパク質の多い食材を食べるとそのまま筋肉になるというわけではなく、一度食事から得た栄養素は最小単位まで分解され、吸収されていきます。様々な栄養素が複雑に関与して私たちの体を作っています。食べることが少しでも楽しく、つらい想い出になりませんように。

500kcal丼・豚肉の卵とじ丼
500kcal丼・豚肉の卵とじ丼