油脂の質高くパフォーマンスアップ

大豆の栄養価の高さについては、ご存じの方も多いと思います。良質なタンパク質を含む食品である以外にも、期待できる役割を一部ご紹介します。

食物繊維が多い→腸の調子を良くしたり、血糖値の緩やかの上昇を促すなど。
ビタミン、ミネラルが豊富→アスリートが不足しがち。
脂肪酸の質が良い→LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低くすることが期待できる。

大豆と言うと、生活習慣病予防や女性の健康のためにオススメという印象が高いかもしれませんが、大豆を積極的に活用すると、成長期のアスリートのカラダづくりやパフォーマンスアップも期待できます。

特に油脂の質に関しては、大きくパフォーマンスに影響します。私がサポートしているJリーガーは、肉中心から、魚や大豆製品を多く取り入れるように食生活を変えたことで、カラダのキレが良くなったと証言しています。特に体脂肪が増えやすい選手は、その調整にも役立っています。また、体組成や血液検査にも大きな影響が出ているので、データを見せることで、選手のモチベーションアップにもつながっています。

無理なく自然に「大豆」を摂ろう

大豆の食感が苦手でも違和感なく食べられる「大豆ミート入りプルコギ」
大豆の食感が苦手でも違和感なく食べられる「大豆ミート入りプルコギ」

今回は、「大豆ミート入りプルコギ」を紹介します。大豆ミートはソイミート、「畑のお肉」とも言われ、大豆の油分を搾り、加熱加圧・高温乾燥させて作られた非常にヘルシーな食材です。私の経営する飲食店「くるみキッチンプラス」では、2011年の開業当時から人気商品のひとつ。乾物なので、常温で長期保存ができ、大豆の食感が苦手、大豆があまり好きではない方も違和感なく食べられます。

大豆ミート入りプルコギ」は、6月にフジテレビの情報番組「石橋貴明のたいむとんねる」内の「アスリート飯」の特集で、取材を受けた時に好評だったメニューです。実際に、食事サポートをしている藤枝東高サッカー部に提供した際には、大豆ミートを半分使用していることを黙っていましたが、食事の後、説明したところ、誰一人気付いておらず“大成功”でした。

10年ほど前、特養老人ホームに勤務していた時、動物性タンパク質を摂取しにくい方々は、褥瘡(じょくそう)が治りにくいという話を介護士から聞き、それに代わる「食べやすいタンパク源がないかな」と探していた時に出会った食材。より楽しく大豆を摂取するために、ぜひご活用ください。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ