好き嫌いが多い、食事の量が食べられない、胃腸が弱いなど食の課題が多い選手は、コンディションを崩しやすくなります。極端にいうと、「どこでも寝られる、何でも食べられる、ストレスを適度に発散できる」のが大切。それを養うのは、やはり普段の食事と休養の確保です。
強くなると、合宿や遠征が増えてきます。親元を離れるまでのジュニア時代での土台作りが重要です。その後は自分で、食もストレスも環境も整えられる能力が試されます。
胃腸が弱い、便秘気味…サポート選手の例
私がサポートをしている選手の中に、技術や能力が高く、食事の量やバランスも学びながら、一生懸命トレーニングに励んでいる選手がいます。
高校サッカーのFWの男子選手は、小さい頃から食が細く、おなかを壊しやすかったそうです。大切な試合の前になると、おなかが痛くなったり、下痢をして力が入らなかったり、体が思うように動かなかったりと、コンディションにムラが出ていました。
この選手には長期間関わることができたので、自分の体調に合わせながら、季節に合わせた対処をしてきました。普段は胃腸を鍛え、遠征や試合時期には胃腸のコンディションを優先にし、炭水化物中心の消化のいいものを摂るように指導。不足しそうな栄養素に関しては、サプリメントも含めた食事の摂り方を伝えてきました。
またこの冬、全国大会にも出場した高校女子の長距離選手は、女性アスリートの三主徴の症状はなく、食事内容を見てもバランスの良い食事ができているのに、ひどい便秘に悩んでいました。野菜や海藻類など食物繊維の多いものやヨーグルトで乳酸菌をとるなど努力していましたが、話を聞いたところ、すぐに水分不足が原因だと分かりました。
大量に汗をかく体質であり、水分摂取量が足りなかったのです(サポート前は、練習がある日でも600mlの水筒のみ)。さらに貧血傾向があるため、医師から処方された鉄剤も拍車をかけていたようです。
寒い冬も水分補給忘れずに
選手の便秘は、水分補給・食物繊維・乳酸菌など様々な要因が絡み合っています。夏は意識する水分補給も、冬場はおろそかになりがちです。呼気からもかなり、蒸発しています。空気が乾燥するので皮膚からも、鼻や喉の粘膜の水分も不足し、ウイルスや菌が入り込みやすくなることで、インフルエンザなどのリスクも高まります。体を潤すことでコンディションもアップし、免疫力も高まります。
寒い季節には温かい汁や飲み物も活用しましょう。保温の水筒や保温ジャーなどの汁物も活用して、こまめな水分補給をオススメします。