今は、いろいろな食事方法が推奨されています。「1日1食がいい」「○○しか食べない」といったスタイルにして、朝ご飯を食べない方が調子が良いなら、自分で選んだ食事スタイルにしてもいいでしょう。しかし、これは大人に限ってのこと。子どもには適しません。

私は、そんな保護者の方には「成長期のお子様には、必ず朝食を準備してください」と伝えています。成長期は、ただカラダが大きく強くなればよいのではありません。朝食をとる習慣をつけておくことで、将来の生活習慣病の予防にもつながり、一生の食習慣の土台も作っているのです。健やかな成長のためにも、成長期のアスレシピ世代には、しっかりとカラダづくりの土台をサポートしましょう。

なぜ朝食が大切なのかを理解すること

「朝食をとっている」と言っても、実は主食だけ、果物だけ、ヨーグルトだけで済ましている子どもが多いのが現状です。なぜ食べないのか。その原因を探り、改善しなければ、「朝ご飯を食べなさい」と言い続けても食べるようにはならないのです。

まず、なぜ朝食が大切なのでしょうか。朝食には次のような役割があります。

睡眠時に下がった体温を一気に上げる
体内時計をリセットする役割がある
(特に成長期は)朝ご飯を利用しないと、1日に必要なエネルギー量を補えない。

また、食習慣が形成される子どもの頃の朝食の欠食は、学力及び体力の低下のみならず将来の生活習慣病リスクを高める可能性にもつながります。成長期は、「朝食を食べるのが当たり前。食べないと調子がでない」と習慣づける時期でもあるのです。

朝、食欲が沸くようにするために

近年のジュニアアスリートは練習時間が長く遅い、移動時間が長い、練習後に塾へ行っているなどの理由で生活リズムが崩れ、就床時間が遅いことが課題によく上げられます。その影響で個人差はあるものの、夕食や夜食が遅い、量が多い、油脂の多いものを食べる、ドカ食いをしてしまうなどが、翌朝に食べられない理由となっています。

寝る前に食べると体脂肪増加などの心配以外に、内臓が動き続けるため熟睡できないともいわれます。夜遅い時間にどうしても食べたい場合は、消化のよい炭水化物中心の食事を少量とり、朝食をしっかりと食べられるように逆算しましょう。

ちなみに、消化は炭水化物が一番早く、タンパク質、脂質の順です。朝には、胃の中が空っぽになっているのが理想です。

次のページ朝食には何を食べたら良いのか、簡単に作れる方法は