起きたら白湯、何か一口入れる

以前、トレーニング合宿に帯同していた陸上短距離のある女子選手は、幼い時から食事の課題が大きい選手でした。そんな彼女が朝、胃腸を動かすために、梅干しとヨーグルトを食べていたのが印象に残っています。

朝食には体温を上げる効果があると言われますが、その効果が最も高いのはタンパク質。タンパク質は1度に吸収できる量が限られているため、昼食・夕食だけでなく、朝食でもしっかり取り入れるとよいでしょう。

忙しい朝は、食べる量や内容が乏しくなりがちです。1日の1/3量を食べることが理想ですが、何をそろえられるのか、今日からできることを意識してみましょう。

朝食の優先順位
(1)主食(ごはん・パン・麺・シリアルなど)
(2)主菜(肉・魚・卵・大豆)
(3)牛乳乳製品・果物
(4)副菜(野菜・海藻・キノコ類)

タンパク質を必ずとること

我が家は、私の帰りも遅いため、毎日すべての栄養素が整った朝食とはいきませんが、胚芽米入りのご飯を炊き上がるように準備はしています。

主食は必ず食べる中高生の息子たちには、「タンパク質を絶対食べること」だけを伝えています。弁当を作りながら、鍋やフライパンに主菜、副菜を作ってそのまま置き、キッチンでバイキングのように選ばせています。あとは冷蔵庫に入れている食材を自分で出して食べています。

朝食にとりやすいタンパク源の食材は、次のものがあるので、参考にしてください。

朝食にとりやすいタンパク源の食材
大豆製品(納豆、豆腐、豆乳)
卵(目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグ)
魚(焼き魚、サバやイワシ缶など、サケフレーク、ツナ缶など)
肉(サラダチキンなど)、ソーセージ、ハム、ベーコン(加工肉は脂質や塩分、食品添加物も多いので控えめに)
乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)

レパートリーよりも量とバランスが大事

朝食について、「レパートリーが少ない」という質問もよくありますが、結論からいうと、主食、主菜、副菜がそろっていて量がしっかりとれていれば、毎食パターンは同じようなものでいいと思います。むしろ、同じものを食べていた方が体調のバロメーターが分かりやすく、準備する私たちの負担も少なくなりますね。

今回は、食欲が出ないときにおすすめの「おかわり続出!粉末だしご飯」を紹介します。天然のうま味を利用した「だしご飯」に、タンパク質源をのせれば、洗い物も1つで済み、食欲も沸く「朝食丼」になります。胚芽米のパサつきが気になる場合は、大さじ1、2杯の酒を水の代わりに入れることで気にならなくなると思います。

このレシピでは、素材を粉砕しただけの天然素材を使った商品を使っています。素材のうま味も強く出るため、カルシウム栄養価もそのままとることができます。ミルサーなどで自分のブレンドを手作りしてもいいでしょう。

私が住む静岡県焼津市は、国内でも有数のかつお節名産地として有名です。個人的には、カツオ、いりこ、サバとカツオをブレンドした粉末だしに、昆布と干しシイタケの粉末をフレンドしたものが好きです。サバ節はあまりなじみがないかもしれませんが、かつお節に合わせるととてもまろやかになり、甘みも広がります。手に入ることがあれば、ぜひお試しください。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ