「全集中、水の呼吸!」。炭治郎カッコいいですよね。週刊少年ジャンプ24号で「鬼滅の刃」がついに最終回を迎えました。すでに単行本は累計発行部数6000万部。社会現象になるほどの人気漫画で、お子様が夢中になっていたり、ステイホーム中に家族でアニメにハマったなんて声も聞こえてきます。
「鬼滅の刃」には必殺の剣術を繰り出すための呼吸法があります。大量の空気を血液中に取り込むことで瞬間的に身体能力を大幅に向上させ、鬼のように強くなるというものです。さて、この呼吸法、実際にできるのでしょうか。
ゆっくり深く呼吸することで毛細血管の血流量アップ
株式会社アスコムから「自律神経を整える『長生き呼吸法』」を刊行した順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生は、次のように言います。
「呼吸によって肺に取り込まれる酸素は、血液に溶け込み、毛細血管を経由して全身の細胞に届けられていきます。ゆっくりと深く呼吸をすれば、肺に取り込まれる酸素量が増え、酸素を運ぶ全身の血流量もアップします。その結果、全身の細胞の活性化につながるでしょう」
呼吸法によっては体の回復を早くさせたり、力を引き出したりすることができるそうです。また、こう続けます。
「私の研究では、ゆっくりと深く呼吸をすることで、すぐに毛細血管の血流量がアップすることを確認しています。つまり呼吸には、一瞬で体の状態を変える力があるのです。呼吸法ほど即効性の高い健康法はありません」
次のページ1日の無意識での呼吸は2万回以上