最高のコンディションで試合当日を迎えるには、日頃から主食、主菜、副菜、汁物、果物、乳製品の6品を揃える「アスリートの食事の基本の形」を整えた上で、3日ぐらい前からの食事やお弁当が大切となります。競技特性によって違いもありますが、基本的には、食事の全体量の中で「糖質の割合」を増やしていくようにします。

3日前からの食事のポイント

試合3日前からの朝、昼、夕食のポイントをお伝えします。

<3日~2日前>
通常、50%ほどの主食の割合を60~65%に増やしていきます。食品の衛生管理に気を付けます。

朝食…前日の夕食から約10時間、食事の時間が空くので、特に朝食はしっかり食べましょう。エネルギー源となる炭水化物を中心に、魚や卵、大豆製品に野菜などをたっぷりとりたいところです。
昼食(弁当)…主菜はお弁当に使いやすい肉や卵を利用。副菜は、腐敗防止を考えて火を通したもの、酢に漬けたものがベターです。夕方の練習に備えるためにもエネルギー源となる主食はしっかりとりましょう。
夕食…練習の疲れをとり、内臓を早く休ませるためには、消化の良いものがおすすめ。主食はうどんやもちも適しています。主菜は、糖質の代謝を促進し、疲労回復メニューとして鉄板のビタミンB1が豊富な豚肉メニューとし、副菜も火を通したものの方が、消化が早まります。また、乳製品と果物は毎食、忘れずにとりましょう。

<前日>
主食の割合を65~70%に増やします。朝食をしっかり食べて体温を上げ、抗ストレス、免疫力アップに効果をもたらすビタミンCを十分に摂取。練習量を減らしながら調整していく場合は、食事の全体量も調整しつつ、体が重くならないようにするのも大切です。翌日の起床時間にもよりますが、夕食は就寝3時間前には食べ終わり、午後10時には寝るのが理想です。

夕食…緊張やストレスよって消化機能が低下するので、基本的には消化の良いもの。揚げ物、ドレッシング、洋菓子などの脂質は控えます。食物繊維の多い食品も腸内にガスをためたり、下痢の原因になったりするので、ゴボウなど繊維の多い野菜、サツマイモ、海藻、キノコ類、納豆、玄米なども控えましょう(ただし、個人差あり)。当然ながら、生ものや貝類など、食中毒の恐れがあるものも食べないようにします。

一方で、 神経の興奮や緊張を緩和するカルシウムは積極的に摂りたいところ。小魚、ヒジキ、高野豆腐などが摂りやすいですね。乳製品にもカルシウムは含まれていますが、おなかがゴロゴロしやすい選手は控えておきましょう。

また、水分も足りているか確認しましょう。練習後に体重の変化が1~1.5キロ減であるように、1回に200mlほどの水分を小まめに摂るようにしていきましょう。

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