アスリートは食事からのエネルギー摂取量が足りないことが多く、補食を取り入れてコンディションを維持するケースがあります。補食として「アイス」は一見、取り入れにくいように思われますが、用途によっては上手に利用することができます。暑い夏だけではなく、一年中利用している選手も多くいます。
今回は、アイスの種類や状況別の利用法について紹介します。
乳固形分と乳脂肪分で種類分かれる
ひとことに「アイス」と言っても、厚生労働省が定める乳固形分と乳脂肪分の含有量で種類別に分かれています。購入の際は、次を目安にして選びましょう。
<アイスの種類(乳固形分、乳脂肪分)>
アイスクリーム(15.0%以上、8.0%以上)
アイスミルク (10%以上、3.0%以上)
ラクトアイス (3.0%以上、-)
氷菓 (-、-)
練習後におすすめ「クリーム」「ミルク」
比較的容量が少なく、カップに入っている商品が多い「アイスクリーム」と「アイスミルク」は乳脂肪分が多く、脂質が多い特徴があります。これらは、練習前より練習後の摂取がおすすめです。脂質を練習前にとると消化吸収に時間がかかるので、練習後や食事の際のデザートとしてとりましょう。練習後にとれば、運動後のエネルギー回復につながるという研究データもあります。
また、急激な体重低下や低栄養状態が懸念される選手には、効率よくエネルギー補給をするために、入浴後や夜食としてこれらのアイスをすすめることもあります。ただ、食べすぎると体脂肪の増加などに影響することもあるため、状況に合わせてお試しください。
「ラクトアイス」は乳脂肪分は少ないものの、風味を出すために植物性油脂が添加されている場合があります。アイスミルクと同様、練習後がお勧めです。
エネルギー補給に適した氷菓
「氷菓」は、フルーツ系のアイスキャンディーやかき氷などを指します。これらは、主に糖質が含まれるため、練習前にとれば練習中のエネルギー補給として利用できます。また練習中や練習後にとれば、練習で失ったエネルギー補給ができ、さらに練習中のほてった体を冷やすこともできます。
一見同じように見えるアイスですが、その種類によって、アスリートに適したタイミングは異なります。練習前にどうしてもアイスクリームが食べたくなった場合は、量を少なくするなど、毎日のコンディションを確かめながら自分にあった量を調節してみましょう。オフの日のご褒美に好きなアイスを食べることも、心の栄養になります。
オリジナルの手作りアイス
今回紹介するのは手作りアイス、「ヨーグルトバーグ」です。ヨーグルトベースなので、乳製品に含まれるタンパク質やカルシウムもとることができます。
無糖ヨーグルトを使っています。お好みのフルーツやシリアル、甘さが足りないときは、はちみつなどをトッピングしてオリジナルを作ってみましょう。