朝起きた時、私たちのカラダはエネルギーが枯渇した状態になっています。その状態で運動をすると、私たちのカラダは筋肉を削ってでもエネルギーを作り出そうとします。活動するためには、エネルギーが必要だからです。アスリートにとって大切な筋肉量や持久力を維持するためにも、朝ごはんは1日の食事の中でとても重要なものになります。
朝食の大きなテーマは、「エネルギー補給」ですが、その他にもさまざまな理由があります。
筋肉量・持久力維持、体温戻して免疫力維持
私たちのカラダは寝ている間に体温が約1度も低下します。朝ごはんを食べると体温が戻りますが、そのためにはタンパク質を多く含む肉類・魚類・卵などを食事に取り入れると良いでしょう。免疫力を維持するためにも体温を戻すことは大切なことなのです。
また、朝ごはんを食べることによって活動のスイッチが入ります。スイッチをONにできないまま活動を始めてしまうと、注意力が喚起されずケガをしやすくなったり、思考能力が低下し、脳からの指令をカラダにうまく伝えられなかったりします。学校で転んだり、体育の時間にケガをして保健室に来る生徒に「朝ごはん食べてきた?」と聞くと食べてきていない、または食べてきたけれど内容が菓子パンや牛乳だけだったりすることが多いと、学校の保健の先生から伺ったことがあります。
もう1つ、朝ごはんを食べることによって胃腸の働きが活発になり、便意をもよおしやすくなります。運動前に不要なものを外に出すこともコンディションを整える上で大切なことになります。
私たちのカラダには体内時計がありますが、この体内時計は25時間制だと言われています。実際の1日は24時間ですから、リセットしないとずれていってしまいますが、朝の光と朝食をとることがズレをリセットしてくれると言われています。
朝食の内容も、バランスの良い食事の基本の形(「意識しよう、バランスの良い食事の基本の形」のコラム参照)を整えるようにします。
食事は試合が始まる3時間前くらいまでに食べ終えるようにしたいですが、朝一番からの試合などで、朝食から運動するまでの時間が十分に取れないときは、より消化の良い食品を選ぶことがポイントとなります。
消化の良いフランスパンなどおすすめ
主食がご飯の時は白米、パンの時は食パンやフランスパン、副菜として使用する野菜もニンジンや葉物野菜など、主菜として使用する肉類・魚類・卵・大豆加工品も脂質の少ない消化の良いものを選ぶと良いでしょう。
写真はフランスパン、ニンジン、ツナ水煮缶を使用した「ニンジンのシリシリサンド」です。
フランスパンは、前述のようにパン類の中で消化が良く、さらにそのままより焼いた方が消化が良くなります。ニンジンは野菜の中では消化が良く、栄養価も高いのでオススメです。ツナ缶は水煮、油漬とありますが、脂質の少ない水煮缶を選びましょう。さらに、ホワイトツナと呼ばれるビンナガマグロを使ったものはライトツナと呼ばれるキハダマグロを使ったものより、糖質をエネルギーに変える時に必要なビタミンB1も含まれています。
前日の夜に用意しておけば、忙しい朝でもすぐに提供できますね。また、薄切りの食パンでサンドイッチにし、午後の試合までに時間を十分に取れない時の昼食や、試合と試合の間の補食としても応用できるのでぜひお試しください。