お正月はいかがお過ごしでしたか? 競技や種目によってはお正月返上で、練習や試合があった選手も多かったのではないでしょうか。また、ゆっくり休暇が取れた選手はオフ期の食事の摂り方にも気を配り、良いコンディションでトレーニングを開始できるようにしたいものです。
お正月といえば「餅」。アスリートのエネルギー補給にもオススメの食品です。
マラソンやトライアスロンのような持久力系の競技のみならず、アスリートは長時間連続して動けるカラダを作ることが大切です。長時間運動を続けるためにはエネルギーが必要で、運動をする時にエネルギー源となるのは、主にグリコーゲンです。
食事から摂った糖質が消化・吸収されてブドウ糖となり、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。運動をする時には、筋肉に貯められたグリコーゲンが使われ、肝臓に貯められたグリコーゲンは脳のエネルギーとなります。
アスリートにとってはどちらも重要で、グリコーゲンが枯渇すると運動を続けることができなくなってしまいます。また、次の運動までにグリコーゲンを十分に貯えないと、スタミナ切れを起こし、パフォーマンスを発揮することができなくなります。
糖質はご飯、パン、麺類、パスタ、餅などのほか、イモ類、カボチャ、トウモロコシや果物にも多く含まれています。
上手な糖質摂取が勝負のカギ
上手に糖質を摂取することが、勝負のカギを握ります。ポイントを挙げましょう。
●毎食糖質を多く含む主食を摂り、グリコーゲンの貯蔵量を回復させる
●特に朝はエネルギーが枯渇した状態なので、朝食でしつかりエネルギー補給をする
●グリコーゲン貯蔵の回復力が高い運動後30分以内に糖質補給をする
●よく噛んで、消化・吸収を促進し、効率良くエネルギー補給する
●糖質をエネルギーに換える働きのビタミンB1やビタミンB1の吸収を高めるアリシンを含むものを一緒に摂る
餅を主食や補食に活用
まずはご飯、パン、麺類などの主食をしっかり摂り、基本の食事の形を整えることが大切(「意識しよう、バランスの良い食事の基本の形」を参照)ですが、ご飯の量を増やせない(食べられない)場合は、餅の活用をおすすめします。
餅は同じ重量のご飯と比較すると、糖質が約35%も多く含まれています。餅2個は中茶碗1膳分(140g)と考えると分かりやすいでしょう。実際にどんぶり1杯(240g)のご飯はなかなか食べられないけれど、お餅なら3、4個食べられるという選手はよくいます。
力うどん(「ニラ玉肉力うどん」の作り方参照)のように主食に餅をプラスしたり、補食に餅メニューを活用しましょう。
写真は餅のアレンジメニュー3品です。
「みぞれ雑煮」は、消化酵素アミラーゼを含む大根、糖質をエネルギーに換える働きのビタミンB1のほか、さまざまな栄養素を含むウナギ、アリシンを含む小ネギを合わせています。
「餅のベーコン巻き」は、ビタミンB1を含むベーコンを合わせています。
「はちみつきな粉餅」は、栄養価も高く消化の良いきな粉とはちみつを合わせているので、運動や試合前の食事としても適しています。