いくら気を付けていても、スポーツ中にケガをしてしまうことがあります。
先日、アマチュアゴルファーから「バンカーから出た時にふくらはぎの肉離れをしてしまった。次の試合があるので少しでも早く治したい。どういう食事をしたら良いか」と質問されました。試合中、8ホール目のバンカーから出た時に、ふくらはぎにバットで叩かれたような衝撃を感じ、その後は歩くこともままならず、NR(途中棄権)したといいます。
その選手はアスリートの食事、いわゆる「基本の食事の形」を学び、日頃から整えるようにしていました。また、ラウンド前後のストレッチも行っていました。普段と違ったことは、水筒を忘れたこと。途中で飲み物を買って飲んだものの、いつものようにこまめな水分補給ができていなかったとのことでした。
肉離れの原因は「水分不足」
これらのことから、今回のケガの原因の1つは「水分不足」だと考えられます。適切な水分補給は真夏の熱中症リスクを下げるだけではなく、ケガ予防にも大切だということです。
肉離れとは、筋肉に負荷がかかり過ぎて部分断裂をしてしまった状態を指し、筋断裂とも言います。「肉離れかな?」と思ったら競技を中断し、すぐに冷やすことも有効です。
断裂をした筋肉を回復させるには、適切な治療をするとともに安静にし、自然治癒力を高める必要があります。断裂の度合いにもよりますが、完全に筋肉が修復するには2~3カ月かかるといわれます。とはいうものの、少しでも早く復帰するためには、筋肉を生成するための材料(栄養素)を積極的に摂ることが大切です。
タンパク質、ビタミンB6・C
筋肉の材料となる栄養素として積極的に摂りたいのはタンパク質と、タンパク質の代謝に関与するビタミンB6やビタミンCです。ビタミンB6は、鶏肉やレバー、マグロ・カツオ・サバなどの魚類に多く含まれています。肉離れの早期回復のためには「基本の食事の形」を整えつつ、これらの食材を積極的に取り入れましょう。
写真は「鶏むね肉の親子丼」です。鶏むね肉は鶏肉の中でも高タンパク質、低脂質の部位で、ビタミンB6も含まれています。卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素が含まれており、「準完全栄養食品」と言われるほど栄養バランスに優れた食品です。
肉離れをしてしまったアマチュアゴルファーはその後、食事をしっかり整え、早期回復のためにやれることを全て実行しました。そのおかげで、医師の診断よりも早く復帰することができたということです。