いよいよ来月、インターハイが行われます。高校2年のハヤタは硬式テニスでシングルス、団体戦ともに優勝を狙っています。明日山家は団結してハヤタのサポートをし、ハヤタも本格的な調整に入っています。

妹エミはスイミング公認記録会で自己ベストのタイムを出すことができ、体調共に絶好調。キュウジさんもジムで計画的に運動しており、体調は万全です。

7月の明日山家には予期せぬアクシデントが…
7月の明日山家には予期せぬアクシデントが…

試合中に足がつった!アクシデント

しかし先日、練習試合中にハヤタの足がつるというアクシデントが起こりました。ヨウコさんは慌てて、食事から何かできるものはないかと、アスレシピの検索ボックスから「足がつる原因」を検索、過去のコラムも読み直してみました。その結果、ハヤタが水分不足だった可能性を突き止めました。

足がつる原因(食事に関するもの)
・水分不足
・マグネシウム、ナトリウムなどのミネラル不足

1日に必要な水分量
30歳未満=体重×40ml
30~55歳=体重×35ml

運動強度と水分の目安(高強度のテニスの場合)
競技前=250~500ml
競技中=500~1000ml(1時間あたり)

明らかに水分不足だったハヤタ

足がつった時、ハヤタは2試合目の練習試合の真っ最中でした。上記の数値に当てはめると、ハヤタ(60kg)が通常、1日に必要な水分量は2.4L(2400ml)。プラスして試合(約2時間)が2試合ある時に必要とする水分量は2.5L~5L。つまり、試合がある日の1日のトータル水分量は4.9L~7.4Lにもなるのです。

体調や天候、湿度などで必要水分量には幅がありますが、ハヤタは試合時に2L程度の水分しか摂取できておらず、明らかに水分が不足していた状態でした。

尿の色や体重減少でチェック

「のどが渇いた」と感じてから水分を補給しても遅い、ということがあります。体感ではなく、水分が足りているかをチェックするには尿の色と運動前後の体重の変動で、ある程度判断することができます。

下記のイラストを参考にして尿の色がいつもより濃い黄色の場合、より多くの水分を意識的に摂取する必要があります。

厚生労働省「あんぜんプロジェクト」資料より
厚生労働省「あんぜんプロジェクト」資料より

また、体重変動は運動前後で2%以内であることが推奨されています。体重60kgのハヤタの2%は1.2kg。汗をかいた運動後の体重が「60-1.2=58.8kg」よりも多ければ、水分補給がうまくできているという目安になります。

練習環境によって、運動前後の体重を量れないこともあるので、尿の色を見ながら水分摂取の状態を確認することが大切のようです。

水分不足予防ポイント

これらのことから、ヨウコさんは「水分不足予防ポイント」として次の3点を意識し、ハヤタに実践するよう伝えました。

水分不足予防ポイント
・2試合ある時は、3Lの水筒を2本準備しておく
・運動する30分前から、500ml程度水分を補給しておく
・試合中も、こまめに水分摂取を心がける

ただし、たくさんの水分をとるときにお茶や水ばかり飲んでいるとナトリウム欠乏性脱水につながります。必ずスポーツドリンクのように、塩分などミネラルが補給できる飲料水を飲むように伝えました。

さらに、ヨウコさんは食事からもミネラルが摂れるように「ミネラルたっぷり弁当」を考えました。

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