<食べ物の効果的な組み合わせ>

タンパク質が豊富な鶏のささみは、減量中の人、筋肉をつけたい人によく食べられている食品です。安価でどこのスーパーでも購入でき、冷凍保存もできる優れた食品で、牛肉や豚肉、鶏肉の他の部位よりも低エネルギーでタンパク質が多いのが特徴です。

肉の部位別比較(100gあたり)

鶏肉 エネルギー
(kcal)
脂質
(g)
タンパク質
(g)
ささみ 98 1.1 24.6
むね(皮なし) 105 1.9 23.3
もも(皮なし) 113 5.0 19.0
手羽(皮つき) 182 10.4 23.0
牛肉(和牛) エネルギー
(kcal)
脂質
(g)
タンパク質
(g)
ひれ 207 15.0 19.1
もも 176 10.7 21.3
肩ロース 293 37.4 13.8
サーロイン 294 25.8 17.1
バラ 472 50.0 11.0
豚肉 エネルギー
(kcal)
脂質
(g)
タンパク質
(g)
ひれ 118 3.7 22.2
もも 119 3.6 22.1
ロース 140 5.6 22.7
肩ロース 146 7.8 19.7
バラ 366 35.4 14.4

だからといって、ダイエット中にささみばかりや、ささみだけ食べる人がいますが、含まれない栄養素もあるので注意が必要です。

ダイエットの強い味方「ささみ」
ダイエットの強い味方「ささみ」

ささみには食物繊維が含まれない

ささみは炭水化物がほとんど含まれず、食物繊維は入っていません。これはささみに限らず、肉全般に言えることでもあります。

減量で便秘になる人が多くいますが、主な原因は糖質を制限すること。野菜から食物繊維は摂ることができますが、糖質が少ないと水分が保持されにくく便秘になります。白米よりも食物繊維の多い、玄米や雑穀米などと組み合わせると良いでしょう。

ささみには脂溶性ビタミンがほとんどない

ささみは脂質が少ないことが低エネルギーの理由ですが、そのための欠点もあります。ビタミンのA、D、Eといった脂溶性ビタミンがほとんど含まれないのです。

低エネルギーを目的としてささみを選んだのなら、ここで油を使って調理しては意味がありません。そこでおすすめは、緑黄色野菜やナッツ類と組み合わせることです。

βカロテン(ビタミンA)の多い緑黄色野菜は食物繊維も多く、ナッツ類を使うことでビタミンEが摂れます。ささみにアーモンドをかけて焼く、サラダにクルミを入れる、ゴマドレッシングを使用するといったように、料理にナッツを使うと良いでしょう。

最近流行しているピスタチオは、ナッツ類の中でβカロテンが豊富です。きれいな緑色でお菓子によく使われているイメージですが、少し苦味のある独特の風味が魅力です。ポタージュスープの浮き実(クルトンのように浮かせる具)にする、ささみに乗せてハーブ焼きなどにするのもオシャレですね。

健康的に減量するには栄養バランスを整えることが大切です。肉料理ばかりではビタミンDが不足するので、魚も食べましょうね。

<ささみを使ったレシピ>

ささみ+βカロテン・食物繊維

ささみ+カルシウム・ビタミン

ささみ+ビタミンD・食物繊維

管理栄養士・今井久美