抗酸化作用のある機能性成分
尾澤 ビタミンACEのほかに抗酸化作用があるものを紹介するね。一般に生きる上で必須の栄養素ではないけれど、健康を維持したり、病気を予防したり様々な機能的効果が期待できる成分を「機能性成分」といい、この中に抗酸化作用がある成分もあるんだ。
ハルミちゃん 機能性成分ね。
尾澤 特に、植物に含まれる化学成分「フィトケミカル」には抗酸化作用が多いよ。ギリシャ語で「フィト」は「植物」、「ケミカル」は「化学物質」という意味なんだけど、植物が紫外線の害や虫などから自らを守るためにつくり出した物質で、主に植物の色素や香り成分、アクなどに含まれているの。フィトケミカルの一種の「ポリフェノール」や「カロテノイド」って聞いたことある?
ハルミちゃん ポリフェノールはお母さんが赤ワインに多いって言ってた!
尾澤 そうだね。まだハルミちゃんには早いけど、赤ワインの原料となるブドウにポリフェノールが多く含まれるから赤ワインにも多いんだよ。ちなみにブドウの皮の部分に多い紫色の色素はアントシアニンというんだ。ブルーベリーやナスの皮の色素も同じだね。
ハルミちゃん チョコレートにもポリフェノールが含まれてるの?
尾澤 チョコレートの原料のカカオにもポリフェノールが含まれているんだよ。でもカカオマスポリフェノールは、ハルミちゃんがいつも食べている甘いミルクチョコレートじゃなくて、高カカオのビターチョコレートに多いよ。少し苦いけどね。
ハルミちゃん 高カカオね。
尾澤 カロテノイド類は、主に植物の赤や橙の色素だから、緑黄色野菜に多く含まれるよ。夏が旬のトマトやスイカの赤色の色素「リコピン」は水分もとれるから夏におすすめだよ。
ハルミちゃん うわー、カラフル! 鮭やエビだけ魚介類なんだね。
尾澤 アスタキサンチンは「海のカロテノイド」とも言われていて、魚介類の中でも赤色の鮭やエビ、カニやイクラ、タイにも含まれているよ。ちなみに、カロテノイドは水に溶けにくく油に溶けやすい性質を持っているから、油と一緒にとるのがおすすめだね。
ハルミちゃん 身の回りにお肌を守る栄養素や成分があったとは知りませんでした。それなら摂るしかないですよね。これから意識して摂ってみます。
吉田トレーナー 日焼け止めクリームとか外のケアももちろん大事だけど、内側からのケアも大事だよ。私もこう見えて、外で活動するときは日焼け対策はもちろん、色の濃い野菜は意識してるんだ。料理に彩りがあると食欲も湧いてくるし、一石二鳥だからね。夏野菜は抗酸化作用が期待できるものが多いから、たくさん食べてね!
さっぱり甘酸っぱい「鮭のレモン南蛮」
今回は、暑いときにさっぱり食べられる「鮭のレモン南蛮」を紹介します。
このレシピは、鮭から抗酸化作用のある色素成分アスタキサンチンをとることができます。また野菜の中でビタミンCの含有量がトップクラスの赤パプリカも抗酸化をサポート! レモンの薄切りを加えることで香りも爽やか、バジルの香りでさらに食欲も増進。まだまだこれから日差しが強くなる夏におすすめです。
次のページ1日のエネルギー必要量を計算