年末年始はオフの選手も多く、コンディショニングが崩れやすい時期でもあります。そんな時に意識したいのは腸内環境を整えること。免疫力がアップし、代謝もスムーズになります。
私たちのおなかには、1000種類100兆個以上もの腸内細菌が住んでいるといわれています。腸内細菌は有害菌の増殖を防ぎ、免疫機能に関わり、栄養の吸収を助けます。さらにはビタミンB群やビタミンKなどの栄養素を作る働きもあります。
個人差ある細菌の構成
さまざまな種類が共生し、助け合ったり、生存競争しながら、その人の腸内細菌の構成が決まっていきます。個人差があるため、市販の乳酸菌食品やサプリメントに含まれる菌をとったところで、すぐに腸に住み着けるとは限りません。
しかし、腸内細菌は私たちが食べたものをエサにしているので、それらが好むものを食べ続けることで、腸内環境を整えることにつながります。
和食の定番に豊富
腸内細菌の主なエネルギー源は、炭水化物です。ブドウ糖などの糖質のほとんどは小腸で吸収されてしまい、腸内細菌が多く住む大腸まで届きません。普段の食事において、腸内細菌のエサとなるものの代表は「食物繊維」です。
食物繊維は、穀類、イモ類、豆類、野菜、海藻、キノコ類、果物などに多く含まれます。水に溶けない不溶性と水に溶ける水溶性があり、特に水溶性の食物繊維は、腸内細菌が分解しやすくエサになりやすいといわれています。
食品の大半が不溶性と水溶性、両方の食物繊維を含んでおり、中でも和食の定番に使われる食品には、水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。例えば、麦ご飯、ヒジキや切り干し大根の煮物、きんぴらゴボウ、ワカメのみそ汁、納豆などです。
また、リンゴ、ミカンやレモンなどの柑橘系にはペクチンという水溶性の食物繊維が豊富です。リンゴは「1日1個で医者いらず」などとも言われますが、ペクチンの働きが大きく影響しているのでしょう。
今回は、リンゴを使ったレシピ「リンゴのオーブンチップス」を紹介します。ペクチンは皮に多く含まれるため、皮ごと使います。
加熱すると甘味増す
加熱することでペクチンの活性が上がり、甘味を使わないのにとても甘くなります。ちょっと古くなってしまったリンゴでももちろん作れますので、そのまま食べておやつにしたり、サラダや紅茶に入れたりと活用してください。
【管理栄養士・園部裕美】