「運動して大量の汗をかくときは、スポーツドリンクを飲んだ方がいい」と言われますが、市販されている数多くのドリンクの中から、皆さんは何をポイントに選んでいますか? 味? イメージ? 値段? 

どうせ飲むなら、熱中症を予防でき、パフォーマンスアップにつながるものがいいはず。スポーツドリンクの選び方について紹介します。

日本スポーツ協会の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」によると、運動時に適した水分として以下が推奨されています。

(1)5~15度に冷やした水を用いる
(2)飲みやすい組成にする
(3)胃にたまりにくい組成および量にする

具体的には、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg)と4~8%程度の糖質、つまり、1Lの水に食塩1~2g、砂糖40~80gが含まれたものをすすめています。

汗は99%以上水ですが、ナトリウムなどの電解質(イオン)やマグネシウム、カルシウムといったミネラルも含まれています。大量に汗をかくと、それらも一緒に体外に流出し、体のバランスを崩してしまうので、体液に近い成分を含んだ飲料で補給するのが良いのです。糖質を加えるのは、多少のエネルギー補給の目的もあります。

運動前後はアイソトニック、運動中はハイポトニック

さて、「スポーツドリンク」と言っても、大きく分けて2種類あることはご存じですか? 「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」で、違いは浸透圧(※)にあります。

アイソトニックとは「等張液」を意味し、安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られています。塩分は0.1~0.2%、糖質が約4~6%と体液に近い浸透圧のため、水分、糖質、塩分がバランスよく吸収されます。しかし、発汗によって体液が薄くなっていると吸収速度が落ちるので、運動前や後に飲むのが良いとされています。

また、足などがつる選手は、数日前から時間単位で一定量を飲むウオーターローティングにも、アイソトニック飲料を使います。今では、アミノ酸、ミネラル、ビタミン入りなど様々な商品があり、メーカーによって糖度や塩分にも差があります。購入する際は、成分表示を見て選択しましょう。

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