練習後におにぎり補食でリカバリー
練習は週6日。平日は放課後3時間、週末は半日練習や1日がかりの試合があるため、リカバリー食も重要となる。
「疲れて、帰ったら何も食べずに寝ていたこともあった」(武田)。それを防ぐため、練習後はマネジャーが1升炊きの炊飯器で炊いたご飯を食べてから、帰宅するようにした。選手は各自、好きなふりかけをかけたこぶし大のおにぎりでエネルギーを摂取。「ゴールデンタイム」に補食をとり、素早い疲労回復に努めている。
同時にトレーニングを強化したことで、体つきもしっかりしてきた。「全国レベルで見るとまだまだ細いが、県内では負けない体になってきた。ケガも圧倒的に減った」と福崎監督。選手は毎日、「ダイアリー」をつけ、体重、体脂肪率、基礎体温、睡眠時間、食べたもの、体調、練習の状況などを記録している。それを確認する田畑さんは1カ月に1回、全選手に対してコメントを返しており、「意識の高い選手は、プレー面でも伸びています」と成長ぶりに手応えを得ている。
「試合前の食事」で戦える体に
今大会の1週間前からは、これまでに勉強した「試合前の食事」を振り返り、戦える体に作り上げるという。宿泊先にもリクエストして、脂っこいものばかりにならないよう食事を整えてもらう予定だ。
3年生の中に、卒業後もバスケを続ける選手はいない。だからこそ「少しでも長く試合をしたい」と選手は口を揃える。ベストな体調で臨めば、その可能性は広がる。
「スポーツ栄養」という言葉や、食事の大切さは少しずつ広まってきているが、「首都圏に比べると、地方での意識はまだまだ低い」と田畑さん。福崎監督は「うちがモデルケースとして取り組み、まずは鹿児島県内に発信していきたい」と力強い。ウインターカップは、その成果を披露する格好の場となるはずだ。
【アスレシピ編集部・飯田みさ代】
◆全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ) 12月23日から29日まで東京の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」「エスフォルタアリーナ八王子」で行われる。出場は都道府県代表校(47校)、インターハイ決勝進出校(2校)、開催地枠(1校)に加え、今年から全国ブロック大会優勝校(10校)にも出場権が与えられ、男女各60校が参加する。