急に成長曲線から外れることが問題
では、何が問題なのでしょうか。女の子は男の子より成長期が早く、早い子は9歳くらいから始まります。身長が1年間に5㎝以上急激に伸びたのち、筋肉や骨量が増えて体重が増えます。身長が急に伸びてから約1年半で初経が来ると言われています。
問題の1つ目は、この順番が何歳になっても訪れないことです。身長が急激に伸びる時期がなく、15歳になっても初経が来ないなどの場合を示します。
2つ目は、身長が伸びている途中で急に伸びが止まったり、鈍くなったりする場合です。半年くらいは身長が伸びて「成長期かな」と思っていたら、急に曲線が横ばいになってしまったなどです。
3つ目は身長が伸びる時に体重が増えない、もしくは減ってしまう場合です。身長が伸びるということは骨やその周りの筋肉なども増えるため、体重が増えないとおかしいのですが、あまり増えない、または、ほとんど増えないということが起きます。ひどい場合は減ってしまうこともあります。
これらは、食事からのエネルギー摂取量と日々の活動で使うエネルギー消費量のバランスが崩れることによっておきます。小学生から中学生になって急に運動の回数や時間が増えてエネルギー消費量が増えたにもかかわらず、食事量が変わらない場合や、疲れて食事量が減った、指導者より減量を指示されて食べる量を減らした、といった場合に起こります。運動しない子でも「ダイエットだ」と言って、食事量を減らせば、同じようなことが起きるのです。
成長期に成長しないとその後の人生に影響
身長や体重の増加不良が起きれば、成長期が遅れたり、来なかったりして、生理が正常になりません。生理が正常でないと骨が弱くなり、疲労骨折などの故障につながる可能性があります。
故障すれば安定した練習が積めませんし、生理の問題だけでなく、貧血になったり、日中の眠気や情緒不安定になるなど不定愁訴があらわれたりします。生理や骨の問題は、大人になって競技を辞めた後にも「月経異常」や「不妊」「低体重児出産」「骨粗しょう症」など悪い影響を与える可能性があります。
健全な発育・発達をするためには、活動量に合わせた食事をしっかり摂り、成長に必要なエネルギーを身体に充足させておくことが大切です。「たくさん食べています」と言うアスリートがいますが、客観的に見ると足りていないことがよくあります。成長期の間は少しくらいぽっちゃりしていても、健康でケガをせず、良い体調で運動ができるようたくさん食べて、たくさん動きましょう。
今回、紹介するのは「ハムとチーズのパンプディング」です。朝は時間がない、食欲がないなどの理由で、ごはんやパンなどの主食だけでおかずを食べないという選手も少なくありません。そうなると、タンパク質などたくさんの栄養素が不足し、成長の度合いに良くない影響をもたらします。
朝食や間食に!炭水化物とタンパク質
パンにハムや卵を挟んでサンドイッチにするのも良いですが、パンに砂糖や牛乳、卵を使って作るお菓子の一種、パンプディングは1品で炭水化物とタンパク質が摂れる優れもの。「ハムとチーズのパンプディング」は砂糖を入れずにハムとチーズを入れて、朝食にも使える「クロックムッシュ風」にしましたが、砂糖を入れて果物をのせれば、アスリートにおすすめのお菓子にもなります。アルミカップなどに入れて小さめに作れば、持ち運びの出来る補食としても重宝します。