ご飯量は量る、自分に必要な量を知る
尾澤 ご飯は毎日どれくらい食べている?
ツバサ君 ご飯は毎日しっかりとれていると思います。茶碗大盛りです。
尾澤 「茶碗大盛り」といっても、お茶碗の大きさによって量は変わるよね。今度、どのくらい食べているか、量ってみて。ツバサ君の年代、体重、運動量だと毎食220g以上、300gぐらい食べてもいいと思います。
ツバサ君 わかりました。家に帰ったら量ってみます。
尾澤 また、3食の主食量だけだとエネルギーが不足すると思うので、食事の合間に補食として、おにぎりやパンなどの炭水化物をとるようにしてくださいね。おにぎりなら1個分(だいたい150g)で良いですよ。
ツバサ君 わかりました!
【1日における実際の目安量】(2食米食、1食パン食、補食の場合)
ご飯…220g×2杯、食パン…6枚切り×2枚、おにぎり…130g
肉、魚、大豆製品…おかずは色々なものを
尾澤 では、次に主菜についてお話しする前に確認です。「タンパク質を多く含む食材」として何がありますか?
ツバサ君 お肉!
尾澤 他には?
ツバサ君 魚かな…わかりません。
尾澤 では、ここで覚えておきましょうね。おかずになるものとして、お肉の他に、魚介類、卵、大豆・大豆製品があります。これらは指を除いた手のひらに乗るサイズが目安量です。これより少なくならないようにしましょう。
ツバサ君 お肉ばかり食べているな…。やっぱり、色々な食材からとった方が良いんですか?
尾澤 もちろんです。色々な食材から、それぞれにしかない良いものを摂ることで、より質の良いカラダ作りをすることができますよ。タンパク質は筋肉や骨、血液の材料になります。ちなみに牛乳・乳製品はタンパク質のほかにカルシウムを多く含んでいるので、毎食コップ1杯(200ml)を目安にとると良いです。
ツバサ君 そうなんですね。魚は食べるのが面倒だったんですが、少しずつ食べてみようと思います。
【1日における実際の目安量】
肉…120g、魚介類…80g、卵…1個、大豆・大豆製品…80g、牛乳・乳製品…牛乳200ml×2杯、ヨーグルト150g
ビタミンたっぷりの果物も忘れずに
尾澤 あと最後に、果物も忘れずにとってくださいね。運動や成長のためにはとても多くのビタミンやミネラルが必要なので、果物を毎食50gほどとると良いんです。
ツバサ君 果物? なんか甘いからデザートのイメージが強かった。
尾澤 果物にはビタミンやミネラルがたっぷり入っているし、糖質補給にもなるんですよ。色々な種類があるから、旬のものを選ぶのも楽しいですよ。ちなみに私はゴールデンキウイが好きですね。
ツバサ君 僕もゴールデンキウイが大好きです。
尾澤 いいですね。キウイは輸入、国産含め1年中出回ってるし、ビタミンCも豊富です。ゴールデンキウイはグリーンのキウイと比較するとビタミンCの量はなんと2倍なんですよ! 旬の果物は特に栄養価が高く比較的安価ですが、毎食食べるのは難しいときもあると思います。そんなときは、冷凍フルーツや乾燥フルーツも利用してみてください。最近は種類が豊富なので、ヨーグルトに入れて一緒に食べてもいいですし、コンビニなどでも売っているので、購入する補食としても良いですね。
ツバサ君 へぇ~、知らなかった。缶詰のフルーツでもいいんですか。
尾澤 加工時に酵素やビタミンなど熱に弱い栄養素は減少してしまいます。栄養素をしっかりとりたいのであれば、生のフルーツがおすすめですが、保存方法や手軽に食べられるというメリットもあるので、その時に応じて活用してみてください。
ジュニア栄養相談室には、吉田トレーナーも勤務しています。2人の会話を聞いていた吉田トレーナーも、ツバサ君に優しく声をかけました。
吉田トレーナー ツバサ君、今日は色々学んだね。日頃から色々な食材からしっかり食事をとっている選手は、ケガが少ないし、試合中のパフォーマンスも安定しているよ。選手を見ていて、やっぱり「カラダは食べたものから作られている」と感じる。成長期は特にカラダのサイズの変化が大きいから、バランス良く、自分に必要な量を食べて、丈夫なカラダにしていこうね。
今回は「夏野菜と豚肉のオニオンソース」を紹介します。彩りの良い夏野菜と豚肉を、すりおろしたタマネギを使ったソースで炒め合わせました。暑い日の疲れたときにおすすめのメニューです。
このレシピはソースを含め、1人分で野菜を100gとることができます。ソースに野菜を加えることで、甘味とコクがプラスされます。少し酸味もあるので、ご飯も野菜も進みますよ。
豚肉にはエネルギー代謝に欠かせないビタミンB1が豊富です。タマネギや小ネギに含まれるアリシンと一緒にとると、吸収が促進されます。