<チーズの話(3)>
前回のコラム「種類によって栄養価異なる、カロリーが低いのは?」で、チーズはミルクに含まれる栄養成分が丸ごと凝縮した、栄養価が高く理想的な「準完全栄養食品」であるとお話ししました。チーズはとても手軽に栄養補給できる食品です。日々の生活に、もっと気軽に取り入れていくには、どうしたらよいでしょうか。
(1)間食、補食として取り入れる
チーズは、肉や魚と違い、調理をせずにそのまま食べることができる食品です。運動をすると失うエネルギーやタンパク質、ミネラルを手軽に補給することができます。
特に食べやすいサイズに加工されている「プロセスチーズ」は賞味期限も長く、持ち運びにも便利。そのまま補食・間食として取り入れられます。
栄養価の高いチーズですが、ビタミンC、食物繊維は含まれていないので、これらを豊富に含む野菜や果物を一緒に食事に取り入れれば、まさに「完全」。ほんの少しの工夫で、さらに理想的な食事となります。
特にカロリーの取りすぎを避けたい間食には、カロリーが低めなフレッシュタイプを取り入れましょう。甘いものが欲しいときには、カッテージチーズやリコッタチーズなどのフレッシュタイプのチーズにフルーツを添えれば、簡単なおやつになります。お好みでナッツやはちみつをかけて食べれば、さらにミネラル分も補給できます。
同じくフレッシュタイプで人気のモッツァレッラチーズ。このチーズが生まれたイタリアでは、しばしばトマトやハーブと一緒に合わせて食べます(「カプレーゼ」という料理になります)。チーズの栄養にプラスして、トマトの食物繊維やビタミンC、そしてクエン酸、リンゴ酸の効果でさらに消化促進効果もある簡単で栄養豊富な1皿になります。
(2)調味料として使う
チーズには、発酵中に乳酸菌が生み出すグルタミン酸といううま味成分が豊富に含まれています。このうま味成分を調味料として活用すれば、料理がとても美味しくなります。
実際にヨーロッパでは、チーズをそのまま食べるだけではなく、料理にたくさん活用しています。もっとも手軽な食べ方として人気なのは、パンに挟んでサンドイッチにすること。塩味もうま味もばっちり決まるので、好みの野菜などと合わせて手軽なランチとなります。
また、ハードタイプのチーズはグルタミン酸が極めて豊富。すりおろしたり、うすくスライスして活用すると、うまみの濃いひと味違った料理にすることができます。そのままサラダにかけたり、野菜と絡めてオーブン料理にしたり、パスタの仕上げに使ってみたりしてください。
もちろん、お米との相性もバツグンです。すりおろしたチーズをごはんと合わせたり、おにぎりにしても、手軽にタンパク質、ミネラル分を補給できます。それでは、チーズを使って簡単にできるレシピを紹介します。
■そのほかチーズを使ったレシピ